シーメンス(Siemens)やダイソン(Dyson)を含む製造分野の大手企業幹部らは先日、技術革新によって製造現場が劇的に変わり、自動化が今後も製造現場を進化させ続ける、と指摘した。
製造業界はかつて、薄暗い、汚い、危険、という厳しい印象を持たれ、大学生らが避けたいと思う就職分野の代表だった。しかし、近年では、自動化を含む各種のソフトウェアやデータ分析、立体印刷技術によって、工場はその姿を劇的に変えた。
フォーチュン誌によると、「こんにち、現場はスクリュードライバーからアイパッドに変わった」とシーメンスのヘルムート・ラドウィッグ上席副社長はフォーチュン誌主催のグローバル・フォーラム分科会で話した。
ラドウィッグ氏は、ソフトウェアやデジタル技術が試作品の作製を大幅に向上させたことで、製造にかかる期間の短縮や欠陥品の減少を実現した、と説明している。
一方、梱包会社シールド・エアー(Sealed Air)のジェローム・ペリベアー最高経営責任者(CEO)は、「大きな肉のかたまりからできるだけ多くの肉を切り出すことを可能にするソフトウェアを開発」し、精肉会社の利益率改善に貢献した事例を紹介した。
そのほか、ソフトウェアによるモデリングや設計といった各種のデジタル技術によって、製造過程が近年、劇的に効率化されている実態をダイソンも指摘した。
ただ、自動化や各種のデジタル技術を応用した現場を効果的に稼働させるには、製造業とソフトウェア技術、機械工学といった複数の分野にまたがる知識と技能を持ち合わせる人材の確保が重要となるが、そういった人材の確保が非常に難しい状態にあることでも、参加した幹部らは意見が一致した。
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