自動車に搭載されるソフトウェア絡みのリコール(回収・無償修理)が急増している。
カー・コネクション誌によると、金融コンサルタント会社スタウト・リシアス・ロス(SRR)は2016年自動車補償・リコール報告書の中で、ソフト関連リコールの構成比が11年の5%から15年末には15%に上昇したと報告した。
SSRは急増の理由として、異なる通信プロトコル(規約)向けに開発されている車両部品同士をインターフェイス(ネットワークに接続するための装置や規格)でつなぐ必要上、ソフトのコード量が肥大化している点を挙げる。例えば、F-35戦闘機のコードが約900万行であるのに対し、最近の新型車両は最高1億行に上るという。
調査会社JDパワーは「Safety IQ」アプリを通じ、過去5年間でソフト絡みのリコールが189件(1300万台超)に達したことを発見した。欠陥もインターフェイス関連にとどまらず、うち141件は衝突事故につながる危険性が高かったという。
パワー報告書によると、ことし運輸省道路交通安全局(NHTSA)に寄せられたソフト関連の苦情は現在までに202件に上る。15年は通年で615件で、過去5年間の通算は2011件に上る。
SSRによると、最近はソフトの操作上の問題でハードウェアや部品にも影響が広がり、ソフトとの通信の不具合や物理的な摩耗という形で表れている。11年の自動車リコールに絡んだソフト関連の部品はわずか3グループだったが、15年は20グループに達したという。
SSRによると、自動車メーカーは車載ソフトの更新をディーラーでのサービスでなく無線で行うことで推定350億ドルのコストを減らせるが、現時点でソフトを無線更新しているのはテスラ・モーターズだけだ。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2023年11月30日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
老朽化した基幹設備の保守管理でロボットが活躍 ~ 業務を停止せず、危険な作業を肩代わり
-
グーグル、商品の画像生成ツールを提供開始 ~ 広告主や販売業者らの広告画像作成を大幅に簡便化
-
通販商品の返品に手数料~ネット購入控える消費者も
-
2023年11月20日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 世界のニュース, 米国ビジネス
世界最大級の広告主ら、人工知能への移行を積極化 ~ 生成人工知能で広告コンテントを作成
-
非常持ち出し袋や防災訓練に脚光~災害に備える米国人が増加
-
2023年11月13日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EVの需要鈍化に高金利が追い打ち
-
2023年11月9日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 世界のニュース, 米国ビジネス
ランサムウェア攻撃に対し身代金を払ってはいけない理由 ~ その場をしのげても長期的には高くつく
-
2023年11月6日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
オープンAI、法人向けチャットGPTサービスを提供開始 ~ 「チャットGPTの最強版」で収入源の増強をねらう
-
2023年11月2日 アメリカ発ニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
環境に優しい豆なしコーヒー~シアトルの新興企業が開発
-
2023年10月30日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
フェデックスの最新ロボット、トラックへの荷物積み込みを完全自動化 ~ 多種多様の箱たちの組み合わせや順番を自律判断