携帯電話に異例の緊急警報〜NY爆発事件の捜査で

 ニューヨーク中心部と隣のニュージャージー州で17日に起きた爆発事件で、、捜査当局は19日朝、追跡中の容疑者の情報を告知し、捜査への協力を呼びかける異例の緊急警報を一般市民の携帯電話に向けて送信した。情報の一斉伝達システムを通じて「デジタル指名手配書」が100万人を超える人々に配布されたのは国内で初めてとみられる。
 
 ニューヨーク・タイムズによると、緊急警報は全米無線緊急警報システム(WEA)を通じて送信された。メッセージは「指名手配:アフマド・カーン・ラハミ容疑者(28)。顔写真はメディアを参照。見掛けたら通報を」という内容。ラハミ容疑者はその後、ニュージャージー州リンデンで逮捕された。
 
 大都市での事件発生時にWEAシステムが使われた例としては、2013年のボストン・マラソン爆弾テロ事件、今年8月にロサンゼルス国際空港で起きた銃撃事件があるが、いずれも逃亡中の危険な容疑者を避けて安全な場所に隠れるよう警告したり、最新の状況を伝える内容だった。
 
 国内の警報システムには、天候異変などに関する緊急警報、子供の誘拐事件や行方不明情報を知らせる「アンバー・アラート」、大統領による警報の3種類がある。携帯電話利用者は大統領以外からの警報を受け取らないよう設定できるが、これまで大統領が発令した例はない。
 
 WEAの利用によって、19日朝にラハミ容疑者の身柄が確保されるまでにはニューヨーク市民のほとんど、国内でも多数が容疑者の顔を知っていたと考えられる。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

資格の学校TAC
アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. パンデミックの終焉とともに、今年の春以降、各国間の交流が再開した。そして私は5月、日本の某学校法人...
  2. フロリダ、パームビーチで 石川啄木の短歌は胸に沁みる。「ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの...
  3. イヌワシやハヤブサなど、絶滅の危機に瀕している生物も多数生息するダイナソール州立公園 アルバ...
  4. プロベート(検認手続き)とは 長くアメリカに住んでいる方にもあまりよく知られていませ...
  5. 2023年 ヘルスケアのトレンド コロナウイルス感染症による長いパンデミックを経て生...
  6. 突然のパートナーの海外赴任辞令・・・ 日本での職を離れ帯同したものの、アメリカでも働き続け...
  7. 2023年6月9日

    バトンを持って走る
    フラワードレス 昨年から今年初めにかけて、我々世代のオピニオンリーダーや、アイドル的存在だっ...
  8. キノコのような不思議な形に削られた無数の岩の柱が立ち並ぶライティング・オン・ストーン ©︎Jan ...
ページ上部へ戻る