鉄道労働者の間で違法薬物の使用が急速に増えていることが、連邦鉄道局(FRA)の統計で分かった。
ウォールストリート・ジャーナルによると、薬物の抜き打ち検査に対する陽性反応率は、2014年の0.37%から15年は0.53%に急上昇した。14年までの5年間は安定していた。また、事故発生後の検査で陽性反応が出た関係者は今年すでに8人と15年通年(4人)を上回っており、1987年に検査が始まって以来最多となっている。違法薬物には、マリフアナ(大麻)、コカイン、エクスタシー、モルヒネ、オキシコドンなどが含まれる。
FRAは最近、これまでの車掌、技師、運行管理者などに加えて保線作業員にも薬物検査を義務付ける新規則を発表。対象を拡大した検査は17年6月から実施される予定だが、一部の鉄道グループは8月、実施を1年遅らせるようFRAに請願している。
米国鉄道協会(AAR)の広報担当者によると、貨物鉄道会社は下請け労働者への検査責任を負わされることに難色を示している。ただ協会は9月中旬に「状況の深刻さは認識しており、合成麻薬の検査を含めて鉄道の安全を強化するためにFRAに協力する準備はある」との声明を出した。
現在、オキシコドンやフェンタニルといった合成麻薬は事故発生後の検査でしか対象になっていないが、FRAは抜き打ち検査にも合成麻薬を含めたいと考えており、厚生省が改正案の作成を進めている。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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