米国の消費者が最も多く利用する支払いの方法は依然として現金であることが、連邦準備制度(FRS)キャッシュ・プロダクト・オフィスの統計で分かった。
ウォールストリート・ジャーナルによると、最新の数値がまとまっている2015年は消費者取り引きの約3分の1が現金で行われた。12年の40%からは減少したが、クレジットカードは21%、デビットカードは27%、電子決済は11%にとどまった。
現金は消費者にとっては便利だが、企業や経済にとっては流通の問題が起きやすい。インド政府は16年11月、不正や脱税の削減を目的に一般的だった2つの高額紙幣を廃止しており、欧州も18年には500ユーロ札の印刷を停止する予定だ。
現金による支払いを受け入れる企業は負担が多く、現金を数える人やオフィスから金庫、銀行などへの運搬にかかる人件費は上がり続けている。さらに、銀行で保管する場合も現金はより高い手数料がかかることが多い。タフツ大学が13年に行なった調査では、米企業は現金管理で年間合わせて約550億ドルを支出しており、このうち400億ドルは窃盗や損失が理由。
FRSの調査では、現金は少額取り引きに使われることが多く、25ドル未満の取り引きでは50%以上を占める。消費者は少額の取り引きでは現金の方が便利だと考え、15年は日ごろ平均59ドルと、12年の55ドルより多い現金を手元に置いていた。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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