FCA US(旧クライスラー)は、スポーツカー「ダッジ・バイパー(Dodge Viper)」の生産を2017年8月末で終了し、同時に同モデルを生産するデトロイトのコナー組立工場を閉鎖すると発表した。
オートモーティブ・ニューズによると、車両価格が9万ドル、大馬力が売り物のスポーツ・クーペでもともと販売数が限られていたバイパーについて、FCAは15年に全米自動車労組(UAW)と交わした労働協約で17年の生産終了を予定していた。
25年以上前からバイパーを生産するコナー工場は、FCAの北米工場では最も規模が小さい。現在は80人がバイパーを手で組み立てている。6月末にFCAがミシガン州に提出した書類によると、全員を別の工場への配置転換の対象にできる見込み。バイパーの16年販売台数は、前年比8.7%減の630台だった。
生産終了の理由は、9月1日から施行される新しい自動車の安全基準にバイパーが適合しないため。FCAは1年以上前から「生産終了間近」をバイパーの売り文句にしていた。販売の増減が激しいため、他工場からの移籍者が多いコナーの従業員は頻繁なレイオフ(一時帰休)に苦しんでいるが、バイパーは旧クライスラー時代からメーカーを代表する高級スポーツであり、従業員の思い入れが強いモデルでもある。(U.S. Frontline News, Inc.社提供)
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