楽天、米国の倉庫群で自律稼働ロボットを導入 〜米社と提携、受注処理力を300%増強

 新興企業のインヴィア・ロボティクスは、楽天の米国内倉庫群に倉庫業務ロボットを正式かつ本格的に提供する。インヴィアは9日、それについて楽天スーパーロジスティクス(RSL)と提携したことを公表した。ロボティクス・ビジネス・レヴュー誌が報じた。
 
 ▽ロボット管理と倉庫管理のシステムも同梱
 
 インヴィア・ロボティクス(InVia Robotics、カリフォルニア州ウェストレイク・ヴィレッジ拠点)は、自動保管&集荷ソリューション(AS/RS=automated storage and retrieval solution)を提供している。
 
 インヴィアの自律稼働ロボットは、倉庫内を自在に移動し、個々の製品が収納された保管箱を棚から取り出して、担当係が待機する作業台に届ける。
 
 インヴィアの同ソリューションには、運搬ロボットのほかにロボット管理システム(RMS=Robot Management System)と倉庫管理システム(WMS=warehouse management system)が含まれる。RMSがWMSから注文情報を受け取ると、商品場所情報をロボットに知らせ、ロボットがそれをもとに動き出すしくみ。
 
 ▽ラース・モデルで導入リスクを軽減
 
 楽天は、米国の3大第三者物流提供業者(3PL=third-party logistics provider)の一つ。何千という中小の電子商取引事業者に受注処理サービス(オンライン注文された商品の発送業務)を提供している。
 
 楽天は、インヴィアのラース(RaaS=robotics as a service)によって倉庫業務自動化システム導入リスクを軽減すると同時に、倉庫業務の経費を削減する。
 
 ラースは、制御および管理システムからロボットまでをサービスとして提供するため、利用会社はシステム開発やロボットの購入に多額を投じる必要がなく、利用料金を払うだけでよい。
 
 RSLのマイケル・マンツィオーニCEOはまた、ラース導入の狙いとして需要変動への柔軟な対応と在庫管理の改善も挙げた。
 
 ▽20台の試験導入で大成功
 
 インヴィアによると、楽天は、ラスベガスで運営する敷地面積約3000平方フィートの倉庫にインヴィアのロボット20台を試験導入した結果、受注処理力を300%も向上させた。
 
 楽天はその好結果を受けて、米国内のほかの倉庫群でもインヴィアのロボット群を導入する。何ヵ所の倉庫で計何台のロボットを導入するのか、さらにRSLがインヴィアに払う利用料金については公表されていない。
 
 【https://www.roboticsbusinessreview.com/supply-chain/rakuten-super-logistics-picks-invia-robotics-goods-person-raas/】 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)

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