サイバー犯罪の増加を受け、2018年はサイバーセキュリティー会社に対するベンチャー・キャピタル(VC)投資が過去最高を更新したことが、ストラテジック・サイバー・ベンチャーズ(ニューヨーク州拠点)のまとめでわかった。
ロイター通信によると、2018年における同分野のVC投資額は計53億ドルで、前年の44億ドルから20%増加した。ストラテジック・サイバー・ベンチャーズの幹部クリス・エイハーン氏は、「大規模のデータ侵害がかなり頻繁に発生しており、近い将来にそれが収まるとは思えない。投資家はそれを投資機会とみている」と話した。
デジタル犯罪の増加にともない、サイバーセキュリティーは世界中の政府や企業の関心を集めている。
サイバーセキュリティー会社スレットメトリックス(ThreatMetrix)によると、2018年第1四半期(1~3月)には2億1000万件、第2四半期には1億5100万件の攻撃が検出され、2015年比では100%以上も増加した。
ストラテジック・サイバー・ベンチャーズの調査では、2018年の世界関連投資の46%を米国のサイバーセキュリティー会社が占めたほか、アジアと欧州の会社も計22.6%と2014年の12.7%から拡大した。
かつて米軍の情報戦担当幹部だったストラテジック・サイバー・ベンチャーズの共同設立者でCEOのハンク・トーマス氏は、サイバーセキュリティーの世界最大の脅威として中国の人民解放軍を挙げる。
サイバーセキュリティー分野では最近、米国外での大企業が増加しており、同市場の世界規模での拡散が今後も続く可能性があると予想される。ただ、2019年には投資がやや減速する見込みで、エイハーン氏は「投資家が少し疲れてきた」と指摘する。 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
ディープフェイク、金融サービス業界をいよいよ標的に 〜 生成人工知能による音声模倣で詐欺急増は必至
-
2024年4月25日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
広告嫌いのテスラが一転、積極展開
-
ビットコイン半減は価格にいかに影響するのか 〜 最高値更新から乱高下、次の半減期が目前に
-
2024年4月22日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
ボルティモアの橋崩落、輸出・小売業者に影響
-
米国のMBA課程、人工知能分野の教育を積極化 〜 会社で求められる技能に学生側も関心を強める
-
2024年4月18日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
テスラ、急速充電網を開放~EV普及の節目となるか
-
2024年4月15日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
EV生産コスト、27年にはガソリン車より安く~ガートナーが予想
-
人間の労働力の方が人工知能より安価 〜 MITの研究、雇用機会の大部分は人工知能にまだ奪われないと結論
-
ドローン配送に現実味~運用範囲広がる
-
アマゾンや小売大手ら、頻発する返金詐欺で巨額の損害 〜 詐欺集団ら、ティックトックで協力購入者たちを募集