サーバーの液体冷却で大幅節電
- 2013年3月7日
- ハイテク情報
コンピュータ・サーバーに液体冷却技術を使用することで冷却目的の光熱費を80〜97%削減できることが、最近の研究で報告された。
エネルギー・マネジャー・トゥデイ誌によると、同研究は、サーバーの設計と構築を手がける英アイセオトープ(Iceotope)社が手がけたもので、リーズ大学のクラウド環境を使用して行われた。
アイセオトープでは、サーバーのすべてのコンポーネントを完全に液体に浸す設計を開発している。同社は、リーズ大学機械工学部のジョン・サマーズ博士が率いる研究班と協力し、過去2年間に試作モデルで実験を重ね、最近、初の製品モデルが実装された。
冷却液には、スリーエムが開発した非可燃性の高機能液体「ノヴェック(Novec)」が使われている。この液体は電気伝導性がないため、電子部品と直接接触させることができる。
同システムでは、冷却液をサーバーのすべてのコンポーネントに循環させるための複雑なポンプが必要ない。サーバーを置いたキャビネットの下に低電力のポンプ1個を設置して、二次冷却液となる水を汲み上げてサーバーの上からかけるだけで、あとは重力で48個のモジュールすべてに冷却液が行き渡る仕組みだ。
二次冷却液はキャビネット内で滞留され、外部を循環する三次および最終冷却液に熱を移行させる。三次冷却液には、雨水や川の水など浄化されていない水を使用して、環境への影響を縮小できる。最終的に排出される使用水は、温度が最高50℃に達し、暖房用に流用も可能。
アイセオトープのシステムでは、最大20キロワットのサーバー使用で生じる熱を吸収するのに、わずか80ワットの電力しか消費しない。また、温度湿度管理や空気清浄化の行き届いたコンピュータ室も必要としない。
米国では2012年12月、国防総省が主要データ・センター1ヵ所を液体冷却に変えるための200万ドルのプロジェクトに着手している。この契約はエイステック(Asetek)が受注した。
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