在宅勤務への移行も生産性も日本は最下位 ~ 10ヵ国対象の調査、日本のIT後進ぶりが露呈

パソコン最大手レノボ(Lenovo)の最新調査によると、新型コロナウイルス・パンデミックによって在宅勤務への移行が進んだ、と答えた割り合いの10ヵ国平均は64%で、日本は10ヵ国中最低の43%だったことがわかった。

ビジネス・ワイヤーによると、「技術と進化する働き方の世界(Technology and the Evolving World of Work)」と題された同調査報告書は、米国とブラジル、メキシコ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、中国、インド、そして日本の10ヵ国において、それぞれ2000人強、計2万262人を対象に、働き方に関するパンデミックの影響について5月8~14日に実施したオンライン聴取の結果をまとめた。

16日に公表されたその調査結果によると、在宅勤務の生産性が職場での生産より上がったと答えた割り合いの10ヵ国平均は63%で、逆に下がったと答えた割り合いの平均は13%だった。在宅勤務で生産が下がったと答えた割り合いがもっとも高いのは、40%を記録した日本で、もっとも低いのは6%のインドだった。

その背景には、在宅勤務に必要なオンライン協業環境(業務用の仮想高速通信網といった通信環境、端末、各種のデジタル・ツール群)の違いがある。世界中の多くの会社では、パンデミックを受けた在宅勤務への移行にともなって、在宅勤務を効率化するための投資を増やしているが、日本の場合、会社も個人もその支出額が10ヵ国中最低だった。1980年代後半からしばらくのあいだ、技術先進国といわれた日本が、インターネッ トとデジタル技術の時代に入った過去25年間に、IT後進国に後退した実態が浮き彫りになったかっこうだ。

在宅勤務を効率化するために必要なオンライン協業関連製品のコストを会社が全額負担したと答えた割り合いでは、日本が10ヵ国中最低の31%で、一人あたりの支出額でも日本は最低の132ドルだった。10ヵ国平均は273ドルで、最高はドイツの381ドルだった。

欧米の多くの会社では3月移行、在宅勤務に必要なオンライン協業や動画会議を効率化するための通信網サービスやハードウェア、各種のデジタル・ツール、オンライン・サービスの整備や購入を積極化させている。グーグルのように、自宅勤務を快適化させるのに必要な事務用家具類の購入費として従業員一人あたり1000ドルを支給した会社もある。

【businesswire.com/news/home/20200715005277/en/New-Lenovo-Research-People-Working-Work-Worry】 (U.S. Frontline News, Inc.社提供)

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

資格の学校TAC
アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 2023年10月8日

    若者の自殺
    かなり重いテーマになってしまうのだけれど、最近、若い世代の自殺について考えさせられることが...
  2. 2023年10月6日

    フィレンツェの日々
    フィレンツェの遠景 誰にでもささやかな夢がある。イタリアで長い休暇を取ってみたかった娘家族は...
  3. 縦横無尽に川が流れ、湖や湿地帯、針葉樹林などの美しい自然が広がるピマチオウィン・アキ。世界複合遺産...
  4. こどもの進学の資金集め、老後の生活など、さまざまな理由で資産運用を始めたい人のために、アメ...
  5. パンデミックの終焉とともに、今年の春以降、各国間の交流が再開した。そして私は5月、日本の某学校法人...
  6. フロリダ、パームビーチで 石川啄木の短歌は胸に沁みる。「ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの...
  7. イヌワシやハヤブサなど、絶滅の危機に瀕している生物も多数生息するダイナソール州立公園 アルバ...
  8. プロベート(検認手続き)とは 長くアメリカに住んでいる方にもあまりよく知られていませ...
ページ上部へ戻る