指触操作に新技術、パソコン市場復活に期待も

 スマートフォンやタブレットといった指触操作型携帯端末の好調な需要増を受けて、富士フイルムをはじめとする感知技術会社の新技術が注目されている。

 アイフォーン(iPhone)やアイパッド(iPad)のほか、指触操作型機器のほとんどには、ITO(インジウムとスズの酸化物)と呼ばれる高価な希土類を使った指触感知機能が搭載されている。

 ほとんどのITOは中国から供給されており、供給面や価格の面でITOには懸念がつきまとう。

 ブルームバーグ・ニュースによると、指触操作型スクリーンがデスクトップや大型ラップトップで普及しない背景には、その技術を使って大型画面を生産するとコストが非常に大きくなるという事情がある。

 調査会社NPDディスプレイサーチによると、2012年に販売されたラップトップのうち指触操作機能を搭載したのはわずか2.5%で、2013年も13.1%にとどまる見通しだ。

 NPDによると、11.6インチ以下のタッチスクリーンにかかるコストは約45ドルだが、デスクトップで主流の23〜27インチのディスプレイをタッチスクリーンにすると180ドルに上がる。

 マイクロソフト(Microsoft)は2012年10月に初めて、指触操作技術に対応したウィンドウズ8を発表したが、経済低迷に加え、値段が高いことや、パソコン以外で同機能に対応した機器が極端に少ないため、同OSとパソコンの需要は伸び悩んでいる。

 調査会社IDCによると、2013年のパソコン販売は昨年の前年比3.7%減に続いて1.3%減になると予想されており、史上初めての2年連続前年割れというパソコンの氷河期時代が確実視される。

 そこで、富士フイルムやアトメル、ユニ・ピクセルは、指触操作機能をパソコンに搭載するコスト高を解消するために、ITOを使わない安価な代替技術の開発に取り組んでいる。

 富士フイルムの場合、写真フィルムで培ってきた技術を生かして、ハロゲン化銀で細いワイヤーの網状感知器を作り指触感知できる技術を開発している。

 「タッチスクリーン・フィルムの供給不足やITO依存が懸念材料になっている」「昨秋には供給不足が明確になり、当社の技術に対する関心が一気に高まり始めた」と同社の担当者は話す。

 また、サンノゼ拠点のアトメルも、台湾アスーステック・コンピュータのタブレット向けに新しい感知器「エックスセンス」の出荷を始めたばかり。

 銅を使ったアトメルの指触感知技術は、感度が強く正確なだけでなく柔軟性も高いため、割れやすいITO画面と違ってパネルを曲げることもできる。

 アトメルの事業開発責任者は、「大きなスクリーンを中心にITOの代わりを見つけようという動きがある」「タブレットに押されているパソコン・メーカーは指触機能で巻き返しを狙っている」と話す。

 一方、テキサスのユニ・ピクセルは、プラスチックの巻物に銅製グリッドを塗布することで、より簡単かつ安価な製造過程を開発している。

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