ロイヤル・カリビアン、スターリンクを全クルーズ船に導入へ ~ 利用客たちからの好評を受け

クルージング・サービス大手ロイヤル・カリビアン・クルーズ・ラインズ(RoyalCaribbean Cruise Lines)は8月30日、同社の全船舶にスペイスエックス(SpaceX)のスターリンク(Starlink)サービスを導入する、と発表した。

イーロン・マスク氏が立ち上げたスペイスエックスは宇宙開発事業の新興企業。スペイスエックスの中核事業であるスターリンクは、地球低軌道に打ち上げた数千の人工衛星を活用した高速無線インターネット接続サービスを世界中で展開している。

特にプーチン戦争(ロシアによるウクライナ侵攻)が始まってから、スペイスエックスはウクライナ政府の強い要請を受けてスターリンク設備をウクライナに提供したことで、知名度も存在感も急激に高まった。ウクライナで高速無線通信が問題なく使えているのはスターリンクのおかげだ。

テッククランチ誌によると、スペイスエックスは7月に、スターリンク・マリタイム(Maritime)という海運業界向け衛星通信サービスを発表したことから、船舶業界大手が同サービスを導入することは時間の問題だった。

ロイヤル・カリビアン・クルーズは、フリーダム・オブ・ザ・シーズ号でスターリンクを試験運用したところ、「乗客たちのあいだできわめて好評」という好結果を得たこと受けて、運用するすべてのクルーズ船に導入することを決めた。

これまで使われていた海上用人工衛星通信は、過去数十年間、競争がほとんどなかったため技術革新も乏しく、高コストで接続速度も遅いという問題を抱えている。スターリンクは、従来型サービスにくらべて低コストで接続速度も格段に速い。

同サービスの利用には、毎月およそ5000ドルかかり、必要な専用機器類のために少なくとも1万ドルの初期費用がかかる。クルーズ船内の有料ワイファイ利用料金によって最初の月のコストはまかなえる。

スターリンク・マリタイムのサービス対象領域はいまのところ、沿岸水域にかぎられている。スターリンクの人工衛星群は、大型貨物船の航路となっている中層海洋ではまだ使えないが、2022年末までには北半球で中層海洋でも通信可能となり、南半球では2023年初期までに中層海洋向けに提供される見通しだ。

ロイヤル・カリビアン・クルーズはこれから数ヵ月をかけて、数々の受信機をすべてのクルーズ船に取り付け、2023年第1四半期末までに全船舶にスターリンク・サービスを導入する計画だ。

(Gaean International Strategies, llc社提供)

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