ドキュサイン(DocuSign)は9月6日、利用者らがスラック(Slack)を使っている最中にスラックを離れることなく契約書類やそのたぐいの全過程を処理できるよう機能統合した、と発表した。
テッククランチ誌によると、スラックは、利用者らが複数のアプリケーションを行き来することなく一連の作業や業務連絡を完了できるようにする機能に強みを持つ。ドキュサインは、2020年の新型コロナウイルス・パンデミック早期に、スラックの機能と電子署名機能を連携させていた。
スラックの利用者らは、スラックを使って設定できる「ワークスペイス」やチャット部屋に参加し、同僚らとのやり取りを簡便化できる。API(application programminginterface)が公開されているため、たとえばグーグル・ドライブといった第三者のウェブ・サービスやデジタル・ツール、あるいは独自開発のアプリケーションとの連携や統合も可能だ。
スラックは、2021年にセールスフォースに買収された。
2020年のコーヴィッド(COVID)危機初期に、世界中の勤め人たちが在宅勤務を余儀なくされたため、できるだけ多くの仕事や業務方法をさらにデジタル化することが重要になった。昨今では、ハイブリッド労働(出社と遠隔労働の混合)の浸透によって紙の書類なしでアプリケーション間を移動することなく書類内容のオンライン承認過程を通じてデジタル文書と署名を自在に実行できるプラットフォームの有用性が非常に大きくなった。
「こんにちのハイブリッド労働環境では、可能のかぎり迅速かつ効率的にビジネスを進め、可能のかぎり合理化し、仕事に必要なアプリケーションやツールの数を最小限に抑えることが重要だ」とドキュサインは説明した。
同社は、契約締結過程の各段階をスラック内に統合し、仕事の流れのなかで契約書がどこにあるかを確認するために、ほかのさまざまの連絡経路(媒体)やプログラムを確認する必要性をなくすことで、末端間での仮想署名過程を簡便化する。
デロイトのデータによると、ドキュサインは電子署名市場で75%の占有率をにぎる業界最大手だ。しかし、出勤再開の本格化にともなって成長維持が疑問視されているため、2022年に入ってから65%の株価低下を強いられている。ドキュサインはスラックとの機能統合拡充によって利用者基盤の拡大と利用増を図り、株価を戻したい考えだ。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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