人手不足と高インフレーションによるコスト上昇が利益を圧迫し続けるなか、米国のレストラン業界では最近、自動化に活路を見出そうとする動きが強まっている。人工知能基盤の自然言語処理機能をそなえたドライブスルーから調理ロボットまで、人工知能とロボットの導入はすでに始まっており、今後のさらなる可能性も高まっている。
ビジネス・ワイヤーによると、レストラン業では、表方業務(客との接触がある職)はこんにちの技術をもってすれば簡単に自動化できる、とレストラン経営者らの半数以上が考えていることがキャップテラ(Capterra)の2022年レストラン自動化調査でわかった。ただ、自動化技術によって代替可能ということと、実際に機械に置き換えるかどうかは別の話しだ。
同調査ではまた、料理人や管理者(マネジャー)、給仕らの職は自動化技術による代替がまだ不可能と考えられていることが判明した。
同調査によると、76%のレストランは、三つ以上の業務分野ですでに自動化している。また、経営者の大部分は、接客係りとバリスタ(アルコール飲料以外の飲み物を注文に応じてつくる係り)、ドライブスルー担当者らの仕事を自動化技術によって置き換えられると考えている。
自動化技術によってどの職が代替可能かいなかに関してレストラン経営者らの見方はおおむね一致する。もっとも代替不可能と考えられている職は、シェフ(調理長)と料理人だ。その次に、店の運営と管理を取り仕切る管理者、そして給仕、バーテンダーと続く。
「レストラン経営者らは、調理された料理を客に提供する直接の役割りには人間の手を優先し、より周辺的な役割りには自動化を導入する」傾向がある、とキャップテラのモーリー・バーク上席小売業界分析家はみている。したがって、客と接触する職での自動化は、技術的には可能でも人間味を維持したいという経営者たちの考えによって自動化があとまわしになっている。
キャップテラの調査ではそのほか、レストラン経営者の96%が裏方業務に自動化ツールを使っていることがわかった。裏方業務には、在庫管理や食材の下ごしらえ、食品の安全性管理、注文処理といった厨房機能、従業員管理や業績分析といった事務系管理分野が含まれる。
それに対し表方の業務では、モバイル・アプリケーションやデジタル特典プログラム、オンライン予約ソフトウェアによって自動化が進んでいる。
(Gaean International Strategies, llc社提供)
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