シスコ、動画会議の通信網管理を改良

 映像を介した業務用コミュニケーションが今後急成長すると予測される動向を受けて、シスコ・システムズ(Cisco Systems)は、動画会議のトラフィック管理を簡略化するための製品改良を強化している。

 コンピュータワールド誌によると、同社はこのほど、「シスコ・テレプレゼンス・サーバー(Cisco TelePresence Server)」と「テレプレゼンス・コンダクター(TelePresence Conductor)」に新しいソフトウェアを導入し、動画会議機能を大幅に拡充して商品競争力の強化を図った。

 今回のソフトウェア更新によって、利用企業は、動画会議で必要とされる要件に合わせて通信資源を調整できる。

 シスコはさらに、動画サービスを提供する提携企業向けに、クラウド基盤の新たな仮想会議室サービスも導入した。

 「IT管理者が自社通信網上の動画トラフィックをうまく管理するためのツール」「それにより、通信網への動画導入に対する恐怖感を排除したい」と、シスコの統合通信マーケティング担当上級責任者ロベルト・デラモラ氏は説明する。

 「また、クラウドを活用するサービスとしての選択肢も拡大した」「新しいオンデマンド仮想会議室サービスは、ホスティングを手がける提携社を通じて提供される」。

 シスコの調査によると、企業内の動画会議利用者は、2011年の3640万人から2016年には2億1890万人に増えると予測される。

 同時に、IT部門の担当者からは、企業通信網への負荷が非常に大きい動画会議をサポートするためのツール改善を求める声が強い。

 発表と同時に開始された新しいソフトウェア更新は、動画会議の参加者が使っている各機器ごとにエンド・ポイントでの通信網要件を認識する。たとえば、高解像度モニターを使用する参加者に対しては、周波帯域を拡大する一方で、スマートフォン利用者に対しては周波帯域を減らすといった調整を行う。

 そういった調整は、業界標準のコーデックに準拠しているかぎり、エンド・ポイントでどのような機器が使われていても可能だ。それによって、企業のIT部門では、通信資源を効率的に活用でき、既存のハードウェアを変えずにコストを下げられるようになる。

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