汚泥のガスを燃料電池に利用 〜カリフォルニア州の下水処理施設
- 2013年4月10日
- 環境ビジネス
カリフォルニア州には、汚泥から発生するメタン・ガスを燃料電池の燃料にして、電力の60%を賄っている下水処理施設がある。
この施設はインランド・エンパイア広域上下水道公社(IEUA)の第1地域下水処理場(Regional Water Recycling Plant No.1)。ロサンゼルスの東約40マイルにあり、1948年に開所、現在は1日4400万ガロンを超える下水を浄化している。
エネルギー・マネジャー・トゥデイ誌によると、浄化の過程で発生する汚泥には何の使い道もなかったが、2012年10月、所内に出力2.8メガワットの燃料電池発電所ができてからは、汚泥から出るメタン・ガス(の中の水素)を発電に利用できるようになった。
ハイテク情報誌のギズモードによると、同処理場は現在(メタンなどの)バイオガスを使った燃料電池発電施設では米最大。この燃料電池が施設で必要な電力の6割を賄うほか、水や熱も提供しており、熱は汚泥を集めてバクテリアによるメタン・ガス生成を促す消化装置の保温にも使われている。
国内の燃料電池市場ではほかにもいくつかの動きがある。「アクイアス・ハイブリッド・イオン」電池の製造やエネルギー保存システム開発のアクイオン・エネルギー(ペンシルベニア州)は第1回目の投資資金調達で、ブライト・キャピタルを中心に、ビル・ゲイツ氏やジェントリー・ベンチャー・パートナーズから総額3500万ドルのベンチャー投資を獲得した。
同社の商品は小〜大規模の固定蓄電装置への応用に適しており、2013年内に一部の主要顧客や提携先に試作品を提供し、年末にペンシルベニア工場で生産した製品の出荷を始める予定。
一方、米国トヨタ販売は、カリフォルニア州トーランスの本社で2013年10月に、1.1メガワットの燃料電池発電施設を稼働させる計画。同施設は炭素をまったく排出せず、6棟の建物からなる本社がピーク時に使う電力の約半分を賄う予定。この種の技術では初めて、既存の産業用水素パイプラインから直接引いた水素ガスを燃料電池に使う。
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