SAP、ハナのクラウド版を投入へ 〜ライセンス料金と月額使用料が発生

 マイクロソフト(Microsoft)とオラクル(Oracle)に次ぐ世界第3位のソフトウェア・メーカーの独SAPは、同社が開発して好評を得ているインメモリー・データベース・ソフトウェア「ハナ(HANA)」のウェブ版を市場投入する計画を打ち出した。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、クラウド版のハナは「2013年第3四半期か第4四半期に、EMEA(欧州、中東、アフリカ)で」提供開始される予定。

 ハナは、高額にもかかわらず200社以上の企業にすでに導入されている。SAPは、そのクラウド版を出すことで、ハナの顧客基盤を一気に拡大したい考え。同社はまた、ハナを自社製品のビジネス・スイートに統合することで、SAP製品群とハナの連動性および互換性を高める。

 ビジネス・スイートやハナのような巨大な業務用ソフトウェアがクラウドに移行することは、同業界にとって大きな動きと言えるが、昨今の市場動向をみれば、大型ソフトウェア製品のクラウド移行は時間の問題だ、とゼネラル・エレクトリック(GE)のインテリジェント・プラットフォーム部門最高情報責任者(CIO)であるヴィンス・キャンピーシ氏は話す。

 また、SAP製品の導入を検討している建設大手ウォルブリッジのIT部門副社長シンシア・ウィーヴァー氏は、SAPの同計画を「非常に歓迎する」と話す。ウォルブリッジではこれまで、ビジネス・スイートやハナのクラウド版がいつ出るのかSAPに何回か問い合わせたという。

 価格はまだ明らかにされていないが、SAPによると、導入企業は、ビジネス・スイートとハナ、そしてネットウィーヴァー・ビジネス・ウェアハウス(NetWeaver Business Warehouse)のライセンスを購入する必要があり、その後、導入企業の規模(利用者数)や扱うデータおよびアプリケーション群の大きさに応じて、月間使用料金が決定される。

 ただ、調査会社フォレスター・リサーチのステファン・リード氏は、ハナのライセンス料の高額さを難点だと考えている企業にとってハナのクラウド版は費用面で解消策にならない、と話す。

 クラウド版を使うことは、ハナを稼働させるための電算設備が不要になるだけで、高額のライセンス料はこれまでと同様に発生する、とリード氏は指摘。ハナのラインセンスをすでに持っている顧客にとっては朗報だが、これから導入する企業にとってはクラウド版の登場が購入理由になる可能性は低い、と述べた。

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