航空エンジンにセラミック素材〜GE、新工場で製造へ

 ゼネラル・エレクトリック(GE)の航空部門は17日、セラミック基複合材(CMC)を使ったジェットエンジン部品の工場をノースカロライナ州アシュビルに建設すると発表した。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、CMCは炭化ケイ素とセラミック樹脂を組み合わせた新素材。来年初頭には新工場で部品1種類の少量生産を開始し、ボーイング777型機向けの新型エンジン用に幅広いCMC部品の試験を始める予定。

 航空エンジン・メーカーは、燃料の節約、推力改善、コスト削減などの効果を売り物にしようと競っており、GEは一般的な部品素材であるニッケルとチタンの合金よりも耐性があり軽量な最新素材に投資することで、航空会社の維持費を削減し、燃費を改善できると見込んでいる。これに対し、同業のユナイテッド・テクノロジーズ傘下プラット&ホイットニーは、新しいエンジン・デザインで同じ効果を出そうと試みている。

 CMCは数十年前からジェットエンジン用の新素材として注目されてきたが、コスト面ともろさに対する懸念があった。GEは表面処理や加工の新技術を開発したため耐性の問題は克服できるとみており、複合材部品の使用率を現在の10%から50%に拡大する方針。

 複合材のほとんどはカーボンファイバー(炭素繊維)で、エンジンの低温部分用だが、アシュビル工場では2014年初めに、ジェットエンジンで最も高温な部分に使われる「タービンシュラウド」のCMC製品の生産を開始する。同部品は、GEが仏サフランと共同開発している「ボーイング737」や「エアバス320ネオ」向けの新型「リープ」エンジンに使われる予定。

 リープは16年に販売を開始し、17年には1200基の出荷が見込まれており、GEはそれまでに高温部分用のCMC部品を9つに増やす計画だ。

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