タブレット化される航空機操縦室 〜3000ページの書類をなくし効率化
- 2013年6月28日
- ハイテク情報
航空機操縦士用にタブレットを導入する航空会社が増えており、情報管理やコストの面でアイパッド(iPad)効果に関心が寄せられる。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ジェットブルー航空は、操縦士らが操縦室に持ち込む分厚い紙製マニュアルの全内容をアイパッドに複製して2500人の操縦士に使わせる許可を政府から取得した。
アメリカン航空では、8000人の操縦士のほとんどがタブレット版マニュアルにすでに切り替えている。マニュアルや航路チャートをアイパッドに入れることで、操縦士一人あたり3000ページの紙が削減されたとみられる。
また、アラスカ航空は操縦士の研修にアイパッドを使っており、ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングスは2013年4月に1万人の操縦士にアイパッドの携行を義務づけた。
サウスウェスト航空も6月、150人の操縦士がアイパッドの試用を開始し、2013年第3四半期にはその対象をさらに550人増やす予定。
操縦室乗組員が持ち歩く紙の量は相当なものだ。操縦室に入った操縦士は、必要書類をかばんから取り出し、クリップボードにそれらを固定して、離陸準備を整える。計画が変更されれば、重いかばんからまた別の必要チャートを取り出し、離陸準備をやり直す。
操縦士が携行するかばんの重さは、数々の紙製マニュアルやチャート類のために35ポンド以上になることもあり、操縦士らの労災の要因ともなっている。
アメリカン航空では、それらの書類をアイパッドに移すことで機体が軽くなり、その結果、燃費が向上し、年間120万ドルに相当する約40万ガロンのジェット燃料を節約できるとはじき出している。
アラスカ航空では、「タブレットに切り替えることで、重くて分厚い書類を持ちながらページをめくる必要がなくなり、指先操作だけで各種のチャートや滑走路図を簡単かつ素早く表示でき、情報管理規約の面でも遵守が簡便化された」と効果を高く評価している。
現在、操縦士は航行中にアイパッドをインターネットに接続させることを禁じられているが、近い将来にそれが許可されれば、リアルタイムでの気象情報更新や航路確認、変更時の航路計画といった作業を効率化できると期待される。
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