東芝の田中新社長、赤字事業を継続 〜パソコンとテレビから撤退せず

 東芝の田中久雄最高経営責任者(CEO)は、同社の赤字事業となっているパソコンとテレビの製造事業を継続する方針を明らかにした。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、6月にCEOに就任した田中氏は、ほかの競合社をまねして赤字事業から撤退する必要はないと話し、むしろ事業規模を活かす道を考えるべきだと述べた。

 田中氏はまた、企業が多角化することによって本来の価値を喪失する「コングロマリット・ディスカウント」という概念を引き合いに出し、様々な技術を統合および組み合わせることによって個別事業の弱みを強みに転じることができると述べた。

 日本の家電メーカー大手の多くはこれまで、何から何まで自社で製造し、複合企業へと成長した。しかし、ここ数年間に巨額の赤字を計上するようになって以来、事業の再編や人員整理、撤退に追われているのが実情だ。

 たとえば、NECは先週、スマートフォン製造事業から撤退を発表し、パナソニックも赤字事業からの撤退あるいは売却をほのめかし、日立製作所も過去数年間に、携帯電話機製造部門とハード・ディスク・ドライブ(HDD)部門、薄型平面テレビ製造部門を独立させている。また、東芝自身も2010年に携帯電話機製造事業を富士通に売却している。

 東芝のテレビ製造事業は2年連続で年間500億円以上の赤字を計上しているが、NAND型フラッシュ・メモリーや電力設備といった事業の好調によって損失を相殺し、社全体では3年連続で黒字を確保している。

 ただ、同社のテレビ製造事業は韓国勢との激しい競争に敗れ、パソコン製造事業は、スマートフォンやタブレットの普及によって販売台数が激減し、両事業を復活させる要素は皆無の状態だ。

 そうしたなか、田中氏は、2014年度上半期にそれらの赤字部門を黒転させる意向を示しているが、具体的な解決策はまだ示されていない。

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