テネシーも安泰ではない〜自動車業界の国際競争続く

 自動車産業の進出が著しいテネシー州でも、人件費や人材確保では諸外国との激しい競争にさらされているという調査結果を、シンクタンクのブルッキングス研究所が発表した。州内で増えるはずの自動車生産台数は、大半がメキシコに流れているという。

 USAトゥデイによると、テネシーではちょうど、全米自動車労組(UAW)が独フォルクスワーゲン(VW)のチャタヌーガ工場で組合の組織化を進めているが、ブルッキングス調査は労組結成がもたらす影響については触れていない。

 報告書は、同州が生き残るためには、州政府がメーカーとの連携を強化し、業界雇用の活性化を図る必要があると指摘した。同州では現在、自動車メーカーが約9万4000人を雇用し、組み立て工場を持つゼネラル・モーターズ(GM)、日産自動車、VWの3社がそのうち1万2000人を、3社と契約する部品企業が残りの大半を占める。

 調査では、同州の自動車関連雇用の46%が、計14カ国の海外企業に支えられていることも分かった。

 報告書は連邦政府に対しても、法人税の見直しや国際貿易の活性化を通じて雇用を支援する必要があると提言している。

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