マイクロソフト、独自のサーバー設計をOCPに提言 〜 自社仕様の普及を狙う

 マイクロソフト(Microsoft)は、フェイスブック(Facebook)が先導するオープン・コンピュート・プロジェクト(OCP=Open Compute Project)に対し、マイクロソフト独自仕様のサーバー設計を提言した。

 マイクロソフトは、独自設計をハードウェア・メーカーに採用させることで、ソフトウェアを中心とする付随市場の開拓を狙う。

 マイクロソフトは現在、自社のデータ・センターで数百万台のサーバーを稼働させている。

 マイクロソフトに限らず、アマゾンやフェイスブック、グーグル、アップル、イーベイ、ヤフーといった巨大な米インターネット企業は、消費者向けおよび企業向けのクラウド・サービスを世界市場で展開することから、データ・センターを世界各地に何軒も建設し、単独で使っている。

 それらの企業は膨大な数のサーバーを必要とするため、従来のサーバー・メーカーからサーバーの大部分を調達せずに、クラウド・サービス専用の高効率サーバーを独自に設計して、アジアの受託製造業者に生産を委託することで、サーバー・コストを抑制している。

 したがって、それらの企業はクラウド・サービスをいかに効率よく運営できるかに特化したサーバー設計の専門集団と化している。

 ギガOM誌によると、マイクロソフトが独自設計サーバーを使って提供するサービス商品は、オフィス(Office)に代表される生産性アプリケーションからデータベース、検索エンジン、ゲーム・サービスまで多様化しているため、同社では、サーバーへの負荷を軽減しながらコストも削減できるサーバー設計を、現場で蓄積された経験と研究によって進化させてきた。

 そこで同社は、これまで培ってきたノウハウを高効率サーバー設計として体系化し、ハードウェア・メーカーへの採用を促すことで影響力や存在感、関連市場開拓力の向上を図ろうと考えている。

 同社のサーバー設計は、ウィンドウズおよびアジュール(Azure)に準拠しているため、それらのプラットフォームで稼働する際に最高のパフォーマンスを発揮する。

 マイクロソフトによると、同社の設計を採用すれば、従来の典型的なサーバー・システムに比べてコストを40%削減できるという。また、消費電力量を15%節減できるほか、開発やサービスにかかる時間を50%短縮できるという。

 さらに、100万台のサーバー・システムを例にとるならば、必要となる通信網用ケーブルを1100マイルも短縮でき、その結果、1万トンもの材料を節約できる。

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