GMもアルミ製大型トラック生産か〜アルミ大手と供給契約

 ゼネラル・モーターズ(GM)が、フォードに続いてアルミ車体の大型ピックアップ・トラックの生産を始める可能性がある。燃費規制の強化や同業の動きに刺激されたとみられ、2018年末の発売を目指しているという。

 ウォールストリート・ジャーナルが関係筋の話として伝えたところによると、GMは最近、アルミ大手アルコアやノベリスと供給契約を交わし、両社はGMの次世代トラックのためにアルミ板の生産を拡大している。車体用のアルミ板は需要が高いため、何年も前から発注する必要がある。

 小型の軽量鉄製トラックの生産に力を入れてきたGMにとって、アルミ製の大型トラック生産は大きな方向転換となる。フォードが今年1月にアルミ車体の15年型「F150」を発表するまで、GM幹部はこうしたトラックのコスト競合力や消費者から見た魅力を疑問視していた。

 もう1つの米国メーカーであるクライスラーは、最新エンジンなどの採用で鉄製車体の「ラム」ピックアップの燃費を改善し、今月には高速走行時の燃費が28マイル/ガロン(mpg)という「ラム1500」ディーゼルの販売を開始する。

 米3社がそれぞれ独自の戦略を進めることは珍しく、従来は3社とも重い鉄製フレームと鉄製ボディに大型8気筒エンジンを搭載するというデザインを基にさまざまなバリエーションを提供し、トヨタや日産などもこれを踏襲していた。米国ではトラックの販売量や収益率が大きいため、メーカーにとって戦略変更の影響は大きい。

 13年のトラック販売は、GMの2モデルが約66万5000台、フォードのFシリーズは76万3000台となっており、両社はトラック1台の販売に付き約7000ドルの粗利益を上げたと推定されている。ただ今回、両社が再び同じ路線をとることになっても、フォードとGMの間には約5年の開きが生まれる。

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