独べレトリック、「建物統合型」の発電に注力 〜 有機太陽電池を壁や窓に

 太陽光発電開発を手がけるドイツのべレクトリック(Belectric)は、有機太陽電池を使用した建物統合型の太陽光発電市場の開拓に注力している。

 グリーンテック・メディアによると、べレクトリックは、倒産したコナルカ・テクノロジーズ(Konarka Technologies)から有機太陽電池技術を2012年に取得し、最近では板ガラス処理加工を手がけるビスコフ・グラステクニック(BGT=Bischoff Glastechnik)と提携関係を結んだ。

 建物統合型の太陽光発電とは、既存の建物に太陽光発電装置を後から取り付けるのではなく、設計と建設の段階で外壁や窓に太陽光発電施設を組み込むもの。

 「太陽エネルギーを建物の外壁全体にわたって活用するのに有機太陽電池は非常に適している」と、同社のヘルマン・イーサ有機太陽電池事業開発責任者は話す。

 有機太陽電池は第3世代太陽電池とも呼ばれ、製造コストが低いのが魅力だが、発電効率が12%前後と低く、長期的な信頼性と劣化の課題が払拭されていない。そのため、これまでのところ、持ち運びできる機器や自動車向けといった限定市場での使用に留まっており、大規模に商用化された成功事例はあまりない。

 第3世代型の薄膜太陽電池の特長の一つとして、柔軟な基板を対象とした従来型の印刷技術を使って製造できる点が挙げられる。

 建物統合型の太陽発電が普及しにくい理由は、建物の設計段階から組み込まれなければならない点にある。標準サイズのソーラー・パネルによって窓の大きさを決められることに対して建築家が抵抗感を示すことも多い。多種多様サイズのカスタム・パネルを経済的に製造することは難しいのが現状だ。

この記事が気に入りましたか?

US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします

最近のニュース速報

アメリカの移民法・ビザ
アメリカから日本への帰国
アメリカのビジネス
アメリカの人材採用

注目の記事

  1. 今年、UCを卒業するニナは大学で上級の日本語クラスを取っていた。どんな授業内容か、課題には...
  2. ニューヨーク風景 アメリカにある程度、あるいは長年住んでいる人なら分かると思うが、外国である...
  3. 広大な「バッファロー狩りの断崖」。かつて壮絶な狩猟が行われていたことが想像できないほど、 現在は穏...
  4. ©Kevin Baird/Flickr LOHASの聖地 Boulder, Colorad...
  5. アメリカ在住者で子どもがいる方なら「イマージョンプログラム」という言葉を聞いたことがあるか...
  6. 2024年2月9日

    劣化する命、育つ命
    フローレンス 誰もが年を取る。アンチエイジングに積極的に取り組まれている方はそれなりの成果が...
  7. 長さ8キロ、幅1キロの面積を持つミグアシャ国立公園は、脊椎動物の化石が埋まった岩層を保護するために...
  8. 本稿は、特に日系企業で1年を通して米国に滞在する駐在員が連邦税務申告書「Form 1040...
ページ上部へ戻る