独べレトリック、「建物統合型」の発電に注力 〜 有機太陽電池を壁や窓に
- 2014年2月24日
- 環境ビジネス
太陽光発電開発を手がけるドイツのべレクトリック(Belectric)は、有機太陽電池を使用した建物統合型の太陽光発電市場の開拓に注力している。
グリーンテック・メディアによると、べレクトリックは、倒産したコナルカ・テクノロジーズ(Konarka Technologies)から有機太陽電池技術を2012年に取得し、最近では板ガラス処理加工を手がけるビスコフ・グラステクニック(BGT=Bischoff Glastechnik)と提携関係を結んだ。
建物統合型の太陽光発電とは、既存の建物に太陽光発電装置を後から取り付けるのではなく、設計と建設の段階で外壁や窓に太陽光発電施設を組み込むもの。
「太陽エネルギーを建物の外壁全体にわたって活用するのに有機太陽電池は非常に適している」と、同社のヘルマン・イーサ有機太陽電池事業開発責任者は話す。
有機太陽電池は第3世代太陽電池とも呼ばれ、製造コストが低いのが魅力だが、発電効率が12%前後と低く、長期的な信頼性と劣化の課題が払拭されていない。そのため、これまでのところ、持ち運びできる機器や自動車向けといった限定市場での使用に留まっており、大規模に商用化された成功事例はあまりない。
第3世代型の薄膜太陽電池の特長の一つとして、柔軟な基板を対象とした従来型の印刷技術を使って製造できる点が挙げられる。
建物統合型の太陽発電が普及しにくい理由は、建物の設計段階から組み込まれなければならない点にある。標準サイズのソーラー・パネルによって窓の大きさを決められることに対して建築家が抵抗感を示すことも多い。多種多様サイズのカスタム・パネルを経済的に製造することは難しいのが現状だ。
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