カリフォルニアの干ばつと闘う節水技術 〜 新興企業、サースで意識を刺激
- 2014年2月24日
- 環境ビジネス
過去100年以上で最悪と言われる干ばつにカリフォルニア州が見舞われるなか、検知器網や「モノのインターネット」を活用した節水技術が注目されるようになっている。
コンピュータワールド誌によると、シリコン・バレーに近いアラメダ郡とコントラ・コスタ郡をサービス圏とするイースト・ベイ自治体公益局は、過去1年かけて実施してきた試験運用プログラムの結果として、65万軒の顧客のうち1万軒に対して成績表のようなものを送付し、たとえば、二人世帯で1日あたり127ガロン以上の水を使用した顧客に対して「しかめ顔」のマークを付けた水道使用明細書を送った。
同公益局では、そういった工夫を通じて5%を節水できたと報告している。カリフォルニア州では一人あたり水道消費量を20%削減するという目標を掲げている。
この種の報告システムは、新興企業のウォータースマート(WaterSmart)が提供しているサース(SaaS=Software as a Service)ツールを利用したものだ。公益局が使用データをプラットフォームに取り出すだけで報告書を作成できる、とウォータースマートのピーター・ヨールズ最高経営責任者(CEO)は説明する。
カリフォルニア州では1987年から1992年にも深刻な干ばつが発生したが、当時は現在のような技術が存在しなかった。「サース、大規模データ(Big Data)、行動経済学は、いずれも前回の干ばつ以降に登場した技術だ」とヨールズ氏は話す。
一方、サンフランシスコの非営利団体イマジンH2O(Imagine H2O)は、水道技術のコンテストを開催して、受賞者が投資家を見つけられるようにするための活動を展開している。ウォータースマートはその受賞企業だった。やはり受賞企業のリーク・ディフェンス・アラート(Leak Defense Alert)は、第2四半期に漏水探知技術を発表する予定だ。
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