IBM、合成高分子の新素材を新発見 〜 研究中の間違いによる偶然の産物

 IBMアルマデン研究所(Almaden Research Laboratory)の研究班は、強度に優れ再生利用もしやすい新種の合成高分子を発見した。

 ニューヨーク・タイムズによると、新素材は、IBM研究開発部門の研究化学者であるジャネット・M・ガルシア博士が、3成分を混ぜようとして化学薬品一つを入れ忘れたところ、ビーカーのなかに固くて白いプラスティックができていたことで偶然発見したもの。

 金槌を用いてビーカーから取り出された新素材は、非常に強いながら軽量で、「自己回復」特性を示すほか、再成形も簡単なことから、製品の再生利用も可能だ。

 近年、高分子化合物の研究は盛んだが、そのほとんどは既存の合成物が変異したものだ。高分子化合物は、絵の具からコンタクト・レンズ、衣類、電池にいたるまで、こんにちではあらゆる製品に使用されている。

 IBMの科学者によると、完全に新種の高分子化合物が発見されるのは数十年ぶり。新素材はまだ命名されていない。

 商業目的の利用にはまだ時間がかかるが、輸送や航空宇宙、電子機器分野の製造に応用できると期待される。同社では、大きな影響をおよぼす可能性のある複合素材の用途について複数の大学と協業をすでに開始した。

 新材料は、熱処理によって形成される熱硬化性樹脂。最強の生物由来物質の一つとして知られる骨の剛性を備え、カーボン・ナノチューブなどと合成することで強度を最大50%高められる。

 IBMは、スーパーコンピュータに依存する新たな電算化学技術への投資に力を入れており、これまでに新素材の電算モデルの構築に成功した。

 高分子材料の主要クラスはすべて発見されたという一般的見解を覆す今回の新素材発見は、従来の合成技術に加え、長時間にわたる電算の結果によるところが大きいとIBMは話している。

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