石油枯渇まであと53年〜可採埋蔵量1.6兆バレルとBP
- 2014年7月21日
- 米国ビジネス
地球の残存可採埋蔵量を毎年推定している英石油大手BPの最新報告書は、世界の埋蔵量は2013年末時点で約1兆6880億バレルで、現在のペースで採掘を続けると53.3年で枯渇すると結論づけた。このままだと人類は53年以内に石油に代わるエネルギー資源を見つけなければならないことになる。
オイルプライス・コムによると、可採埋蔵量は前年から1.1%増え、過去10年間では27%(3500億バレル強)増加した。増加分にはロシアで見つかった9億バレルやベネズエラの8億バレルが含まれ、全体の71.9%は石油輸出国機構(OPEC)の国々が所有している。
水平掘削やフラッキング(水圧破砕)で産出量を増やしている米国の埋蔵量は442億バレル。前年比では26%増加し、バッケン、イーグル・フォード、パーミアン盆地といったシェール・オイル産地は、当初の見込みより多くの量を提供できる見通しだ。ただし、正確な埋蔵量を知る方法はなく、BPは同社ウェブサイトで「地球にどれだけの石油があるのか、そのうちどれだけを将来産出できるかは誰にも分からない」と断っている。
さらに、可採埋蔵量や採掘量は毎年増えても、採掘に絡む懸念は拡大している。新しい採掘法は大量のエネルギーを消費するだけでなく、特にシェール採掘では化学物質や金属が使われ、有害な廃水が大量に出る。
一方、こうした技術で米国の石油自給率は高まっているが、中国などは自給できていない。BPによると、アジア太平洋地区の石油埋蔵量はこのまま行けばあと14年で枯渇するとみられ、そうなれば化石燃料の大量消費国である中国は完全に輸入に依存することになり、世界の油田にかかる負担は一層増大する。
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