モバイル決済業者の新戦略はレストラン市場 〜 オープンテーブルも進出

 クレジット・カードが1970年代から浸透し、IT大手や銀行、クレジット・カード会社、通信サービス大手らのそれぞれの思惑による異種規格の乱立によって、スマートフォンを使った代金決済が普及しない米国市場において、新たな動きがまた表面化した。

 米消費者側はモバイル決済に対し強い関心を示していないため、いくつかの技術企業では、モバイル決済を促進させる作戦として、レストラン市場での切り崩しに焦点を合わせている。

 その考えには理由がある。商店でのクレジット・カード決済は、スマートフォン・アプリケーションを起動させるより簡単に済むが、レストランでクレジット・カードを使う場合は、給仕が請求書をテーブルに持ってくるのと、クレジット・カードを預かって課金して領収書を渡しに戻ってくる2往復という手間暇が発生する。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、そのためレストランに限っては、クレジット・カードを使うよりもスマートフォンの決済アプリケーションを使う利点が明確であり、したがって消費者が受け入れるという期待のもと、イーベイ傘下のペイパルやプライスライン傘下のオープンテーブル(OpenTable)、グルーポンに代表される技術大手らが同市場の開拓に乗り出した。

 各社が提供するモバイル決済アプリケーションはそれぞれに異なるものの、基本的には、消費者が自分のクレジット・カード情報を事前に入力し、消費者が食事代とチップ額をアプリケーションに入力するだけで決済が完了するという点でほぼ同じと言える。

 既述の大手のほかにも、カヴァー(Cover)やタブドアウト(TabbedOut)といった新興企業も同市場に進出している。それに加えてアマゾンも、タブレットを使った決済とクレジット・カード読み取りシステムの開発や売り込みに注力している。

 オープンテーブルはこれまで、サンフランシスコの約20軒のレストランで同アプリケーションを試験運用し、このほど、ニューヨーク市内の45軒のレストランで同アプリケーションの利用を可能にした。

 同社では、シアトルやアトランタ、フィラデルフィアを含む米国内20都市で同アプリケーションを順次投入する計画だ。

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