宿泊中の出張幹部が標的に〜ハッカー、ホテルの通信網使い攻撃
- 2014年11月12日
- 米国ビジネス
アジアに出張中の企業幹部が、ホテルのインターネット接続を悪用したサイバー攻撃を受ける例が増えている。ロシアのサイバーセキュリティ会社カスペルスキー・ラブの調査で分かった。
ウォールストリート・ジャーナルによると、この種の個人攻撃は、出張者が旅先のホテルでネットに接続した時に発生する可能性が高く、被害者はすでに1000人を超えている。最も攻撃発生数が多いのは日本で、全体の約3分の2を占め、台湾や中国などが続く。
不正ソフトに感染したホテルのネットワークに接続すると、旅行者の端末にアドビ・フラッシュやグーグル・ツールバーといった一見本物のようなアプリケーションの最新版をインストールするよう指示するウィンドウが表れる。しかしそのソフトは感染しており、ハッカーは同ソフトを通して相手を「値踏み」し、別の不正ソフトをダウンロードすべきか否かを判断、攻撃後はキャシェに保存されたパスワードを取得する。
カスペルスキーはこの攻撃を「ダークホテル(Darkhotel)」と呼んでおり、警察当局と協力して調査を進めている。犯人は標的にする人物の旅程を知っていて、ホテルの到着・出発時間、部屋番号、氏名などのデータを持っている可能性もあるが、企業幹部という特定のグループが狙われる理由は不明。
ダークホテル攻撃は遅くとも2009年には始まっており、不正ソフトのコードには韓国の文字が2つ組み込まれているが、誰が操作しているのかは特定できていない。暗号技術は高く、どこかの国の政府が関わっている可能性もあるが、初心者のような行為も見られるという。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ