米国で職業訓練事業を拡張〜独フエスト、即戦力の技術者養成

 ドイツのロボットメーカー大手フエスト(Festo)が、米国で職業訓練事業を拡張している。今年6月には専門技術者養成システム開発のラブ・ボルト・システムズ(Lab-Volt Systems、ニュージャージー州)を買収した。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、フエストはフォルクスワーゲンやダイムラーなど世界のメーカーが使う最新オートメーション設備を専門としており、何十年も前から自社のシステムを使う国内労働者を訓練してきた。その過程で職業訓練部門フエスト・ディダクティック(Festo Didactic)を立ち上げ、現在は訓練プログラムの一部として教材の販売やセミナーの提供などを行い、顧客にはシーメンスやアウディなどが含まれている。

 ドイツの企業は、16歳を最年少にフルタイムの見習い従業員を入れ、必要な技術訓練を理論と現場の両面から教え込んでいる。この種のプログラムは通常2年間におよび、修了証は業界全体に通用する。

 米国でもドイツ式職業訓練の需要は高まっており、フエストは市場規模を年間30億ドルと見ているものの、供給は依然として不十分だ。フエスト・ディダクティックのネーダー・イマニ最高経営責任者(CEO)は「米国の雇用市場では企業が必要とするものと若者が受けている教育が合致していない」と指摘する。

 ジョージタウン大学の労働経済学者によると、米国では技術、訓練、教育が足りないために約200万人の雇用が埋まっておらず、このうち約60万人は高卒と学士の中間程度の資格が求められている。

 シーメンス、ダイムラー、フォルクスワーゲンなどドイツ企業は、米国施設で独自の職業訓練プログラムを導入しているが、小さな企業にこうした選択肢はない。フエストは、州や自治体、教育機関、民間企業などを顧客に取り込めると見ており、その先はコミュニティ・カレッジや高校以下の生徒を対象にする予定という。

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