米国で職業訓練事業を拡張〜独フエスト、即戦力の技術者養成
- 2014年11月12日
- 米国ビジネス
ドイツのロボットメーカー大手フエスト(Festo)が、米国で職業訓練事業を拡張している。今年6月には専門技術者養成システム開発のラブ・ボルト・システムズ(Lab-Volt Systems、ニュージャージー州)を買収した。
ウォールストリート・ジャーナルによると、フエストはフォルクスワーゲンやダイムラーなど世界のメーカーが使う最新オートメーション設備を専門としており、何十年も前から自社のシステムを使う国内労働者を訓練してきた。その過程で職業訓練部門フエスト・ディダクティック(Festo Didactic)を立ち上げ、現在は訓練プログラムの一部として教材の販売やセミナーの提供などを行い、顧客にはシーメンスやアウディなどが含まれている。
ドイツの企業は、16歳を最年少にフルタイムの見習い従業員を入れ、必要な技術訓練を理論と現場の両面から教え込んでいる。この種のプログラムは通常2年間におよび、修了証は業界全体に通用する。
米国でもドイツ式職業訓練の需要は高まっており、フエストは市場規模を年間30億ドルと見ているものの、供給は依然として不十分だ。フエスト・ディダクティックのネーダー・イマニ最高経営責任者(CEO)は「米国の雇用市場では企業が必要とするものと若者が受けている教育が合致していない」と指摘する。
ジョージタウン大学の労働経済学者によると、米国では技術、訓練、教育が足りないために約200万人の雇用が埋まっておらず、このうち約60万人は高卒と学士の中間程度の資格が求められている。
シーメンス、ダイムラー、フォルクスワーゲンなどドイツ企業は、米国施設で独自の職業訓練プログラムを導入しているが、小さな企業にこうした選択肢はない。フエストは、州や自治体、教育機関、民間企業などを顧客に取り込めると見ており、その先はコミュニティ・カレッジや高校以下の生徒を対象にする予定という。
この記事が気に入りましたか?
US FrontLineは毎日アメリカの最新情報を日本語でお届けします
最近のニュース速報
-
2024年7月16日 アメリカ発ニュース
米技術業界重鎮ら、トランプ氏の激励をあいついで表明 〜 暗殺未遂速報を受けて続々と投稿
-
ターゲットとショッピファイが提携 〜 ターゲットのオンラインいちばに中小の小売業者らが出店可能に
-
人工知能銘柄が今後10年の株式市場を動かす 〜 シスコの元CEOのベンチャー・キャピタリストが予想
-
2024年7月8日 アメリカ発ニュース, ハイテク情報, 米国ビジネス
スマート包帯の研究&開発が前進 〜 傷口の状態を遠隔追跡、包帯から投薬や電気刺激を可能に
-
飲食店で印刷メニューが復活~QRコード不評で
-
2024年7月1日 アメリカ発ニュース, 世界のニュース, 環境ビジネス, 米国ビジネス
ウェザーXM、ウェブ3とIoTで気象データに革新 〜 動く気象観測所群の分散型連携網を構築
-
米消費者のガソリン車好き続く~KPMGの意識調査
-
2024年6月27日 アメリカ発ニュース, 米国ビジネス, 自動車関連
対中EV貿易戦争、様々な副作用も
-
傷が早く治る、次世代ばんそうこう~医師との通信も可能に
-
生体認証決済が米国で拡大しつつある 〜 マスターカードやJPモルガンも導入へ