活況する中国のデータ・センター市場 〜 21ヴィアネット、約3億ドルを調達

 中国のデータ・センター会社21ヴィアネット(21 Vianet)は、中国の大手ソフトウェア会社を中心とする企業連合から総額2億9600万ドルの資金を調達した。

 データ・センター・ノーレッジ誌によると、その企業連合には、ソフトウェア開発会社大手のキングソフトほか、台頭著しい携帯電話機メーカーのシャオミ(Xiaomi)、シンガポール投資会社テマセック(Temasek)が名を連ねている。

 投資企業の業種が異なるほか、中国のデータ・センター事業者に大手がこぞって投資したことが関心を集めている。

 21ヴィアネットは、通信サービス会社(キャリヤー)に依存しない独立系データ・センター事業者。同社は調達した資金をもとに、キングソフト向けのデータ・センターを中国内に構築する計画。キングソフトが向こう3年間に開設するデータ・センターの規模は、少なくとも5000台のキャビネットを格納できる見込みだ。

 中国のデータ・センター市場は最近、世界の企業から注目されている。市場規模は前年比20%増で成長しており、NTTやセンチュリーリンク(CenturyLink)といった業界大手が建設計画をすでに発表している。また、オラクル(Oracle)やクラウドフレア(CloudFlare)を含む数社が同様の計画を進めている。

 一部のパブリック・クラウド電算サービス・プロバイダーも中国データ・センター市場に参入しており、同市場の活性化に一役買っている。たとえば、マイクロソフトは、21ヴィアネットを介してアジュール(Azure)を提供している。

 21ヴィアネットはまた、IBMのクラウド電算サービス「スマートクラウド・エンタープライズ+」を中国内の提携サービスに指定している。

 そのほか、アマゾンも自社のクラウド電算サービス「アマゾン・ウェブ・サービシズ(AWS)」を中国内で提供している。

 21ヴィアネットにとって優位な点は、外国企業が中国外データ・センターから中国内の顧客にアクセスすることが困難な点だ。その背景には、中国政府によるインターネット監視システム「ゴールデン・シールド・プロジェクト(Golden Sheld Project)」の存在がある。

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