IBM、メインフレームの最新機種を発表 〜 モバイル向けセキュリティーを強化

 IBMは、同社のロングセラー製品であるメインフレームの最新機種を発表した。スマートフォンを筆頭とした携帯端末によって生成される大規模データ(Big Data)にも対応するのが特徴だ。

 最新機種「z13」は、前機種に比べてプロセッサーの処理能力が向上したほか、メモリー容量が3倍に増えた。

 ニューヨーク・タイムズによると、IBMはz13の開発に10億ドルの巨費を投じたとともに、従来顧客60社の企業および政府の協力を得た。

 IBMはz13の開発に際し、新たに500件の特許を取得。そのなかには、携帯端末の電算セキュリティーに関する技術も含まれている。

 IBMのシステム・ビジネス事業部門のトム・ロザミリア上級副社長によると、z13にはさまざまの最新技術が活用されており、なかでもリアルタイム分析機能が特に優れている。

 それによって、たとえばスマートフォンを使って購入する際に、不正の危険性を瞬時に察知できるという。また、利用者の位置情報や購買記録をもとに店内にいる消費者に個別の割引販売を通知できる機能にも対応できる。

 携帯機器を使った購買の激増にともない、携帯機器経由の決済処理やデータ処理を円滑に行うことは企業にとってますます困難かつ重要になっており、IBMではz13によってその課題の解消に重点を置いた。

 調査会社フォレスター・リサーチによると、2014年に携帯機器を利用した購買額は1140億ドルに達し、その額は2018年に2930億ドルに拡大する見通しだ。

 通常、一人の消費者が商品を購買するあいだに、その裏ではおよそ4〜10回のコンピュータ処理が発生すると言われる。また、その処理のセキュリティーも含めると、実際の処理は非常に複雑になり、高度の処理能力がコンピュータに求められる。IBMはそれを踏まえて、携帯機器環境に適したメインフレームを提供しようと考えてz13を開発した。

 IBMはこれまで、およそ3年ごとにメインフレームを刷新している。メインフレームの売り上げは、同社の売り上げ全体の3%と非常にわずかだ。しかし、付随するサービスやソフトウェア、ストレージを含めると、売り上げ全体の25%、営業利益の35%を占めるという。

 そのため、市場の成長を望めないメインフレーム事業とはいえ、新機種の開発や市場の維持の必要性はある、とIBMでは考えている。

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