スマートフォンを車載ITの基盤に 〜 グーグル対アップルの次なる覇権争い
- 2015年2月25日
- ハイテク情報
グーグル(Google)とアップル(Apple)は、戦場を車のダッシュボードに移し、車載ITシステム市場の覇権争いを本格化させつつある。
両社は、スマートフォンを車のディスプレイにつなげてクラウドに接続することで、道案内や通信、音楽再生といった諸機能を可能にするシステムを市場投入する。
グーグルは、アンドロイドOS搭載スマートフォンの利用者向けに「アンドロイド・オート(Android Auto)」を開発しており、アップルはアイフォーン利用者向けに「カープレイ(CarPlay)」という車載ITシステムを開発している。それらのシステムに対応した車は全米でもうすぐ販売される。
ニューヨーク・タイムズによると、アンドロイド・オートやカープレイは、USBコードによってスマートフォンを車載ディスプレイにつなげることで、携帯電話以外のスマートフォン環境をダッシュボードに再現する。
両社が重視しているのは運転中での使用時の安全性だ。ディスプレイを使った操作にともなって運転者の注意が運転からそれないよう多方面で考慮されている。
アンドロイド・オートでは、スマートフォン版と違って「戻る」や「履歴」のキーがないほか、グーグル・マップは運転中でも見やすいよう字が大きく、道路が簡潔に表示される。
アンドロイド・オートはまた、運輸省の指針に沿ってすべての動作を2秒以内に反応させるとともに、動画を再生できないようにしており、ソーシャル・メディアもほとんど遮断する。
画面上のアプリケーション群は、運転者が視線を道路にすぐに戻せるよう、ディスプレイを見てすぐに指触操作できるよう設計されている。テキスト・メッセージの送信も音声指示によってのみ可能となる。
かたやアップルのカープレイも基本的な機能はアンドロイド・オートとほぼ同じだ。カープレイの道案内の場合、運転者の発声に加えてディスプレイの指触やつまみでも操作できるよう設計され、音声指示機能のシリ(Siri)が案内する。
アンドロイド・オートには、計画立ち上げ時からゼネラル・モーターズ(GM)やアウディ、ホンダ、現代が参加しており、現在、約24の自動車ブランドがアンドロイド・オートの搭載を予定している。
アップルでもほぼ同数の自動車ブランドと提携している。両方のシステムに対応する自動車メーカーも多い。
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