IBM、オープンパワーのクラウドを開始 〜 自社製チップでインテルに対抗

 IBMは、自社製プロセッサー「オープンパワー(OpenPower)」搭載のサーバーを使ったクラウド電算サービスを2015年第2四半期に開始する。

 同社はそれによって、インテル(Intel)のハイパースケール・データ・センターに対抗する考え。

 コンピュータワールドによると、IBMの同サービスは、同社傘下のソフトレイヤー(SoftLayer)を通じてアイアース(IaaS=Infrastructure-as-a-service)として提供される。当面は、テキサス州ダラスのデータ・センターから提供されるが、段階的に世界各国で展開していく。

 現在、データ・センター向けにサーバーを提供するメーカーの多くは、インテル製のx86系プロセッサーを採用している。IBMはそれに対し、オープンパワー財団のもとにオープンパワー構想を2年前に立ち上げ、サーバー・メーカーにIBMのプロセッサー技術をラインセス供与している。

 IBMは、オープンパワー・プロセッサーがクラウド環境においてx86系に代わる製品だと売り込み強化に注力している。そのため、オープンパワーで稼働する今回のクラウド・サービスでソフトレイヤーが採用するのは、インテル製チップを搭載しない台湾メーカーのタイアン(Tyan)のサーバーだ。

 オープンパワーは、リナックス(Linux)アプリケーション向けに設計されている。また、最新版ではさらなる改良が施され、x86系プロセッサーと互換性のあるデータも扱える。開発者らはそれによって、x86系向けに開発したリナックス・アプリケーションを簡単に移植できる。

 オープンパワー対応のクラウド・サービスの価格はまだ設定されていない。2週間後に予定されているオープンパワー・サミットで明らかになるとみられる。

 IBMのオープンパワー財団には100社以上が加盟している。

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