IBMと富士フイルム、磁気テープの新技術を共同開発 〜 1巻で220TBを実現

 IBMと富士フイルムは、標準サイズの磁気テープに220テラバイト(TB)のデータを保存する技術を共同開発した。長期保存媒体としての磁気テープの存在感をあらためて訴求する開発だ。

 コンピュータワールドによると、富士フイルムの磁気テープとIBMのドライブ技術で構成された試作品で実現した220テラバイトという保存容量は、同じサイズのカートリッジを使用した業界標準の「LTO-6(リニア・テープ・オープン)」システムの88倍にあたる。LTO-6は、縦横10センチ、厚さ2センチのカートリッジに、無圧縮で2.5テラバイトを記録できる。

 新技術が商品化されるまでの段階において、実験室での実績と比べて容量が小さくなる可能性はある。それでも、磁気テープの高密度化が進んでいることは明らかに実証された。

 テープは、1ビットあたりコストがもっとも低い記録媒体で、その点では、回転ディスクやソリッド・ステート・ドライブ(SSD)よりも明らかに勝る。一方で、データの読み出しに時間がかかるという短所があるため、頻繁に使わないデータをアーカイブ化するのに適している。

 IBMでは、テープがクラウド・ストレージに適していると考えており、その用途を進化させるための技術開発も手がけている。たとえば、オープンスタック・スウィフト(OpenStack Swift)といったクラウド・オブジェクト・ストレージ・システムとテープ・システムを連動させるインターフェイスの開発がある。

 テープの記録容量を高めるのは、最終的に密度の問題に尽きる。IBMと富士フイルムが今回発表した技術は、バリウム・フェライト磁性体の磁気特性を向上させて、面記録密度を大幅に高めた。

 IBMのマーク・ランツ高度テープ技術開発班長によると、テープの記録容量は、約2年で2倍のペースで技術進歩が進んでおり、そのペースは今後10年ほど続く可能性が高い。

 ただ、実験室の研究成果が実用化されるまでには時間がかかる。IBMが2007年に開発した技術は、現在ようやく商業販売されるようになった。今回の技術も、商業販売までには同じぐらい時間がかかるとみられる。

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