新3D印刷技術で車軸の開発費用を削減〜フィアット・クライスラー

 フィアット・クライスラー(FCA)は、最新式の3D印刷を採用して新型アクスル(車軸)の開発期間短縮とコスト削減を実現した。

 ワーズオートによると、FCAは数年前に登場した耐熱樹脂を活用し、透明な試作アクスル・ケースの3D印刷を実現した。エンジニアはこの結果、動力計試験の間にアクスル内部の動きを確認し、潤滑フローを最適化できるようになった。これまでは、ケースに穴を開けてプレキシガラスを装着し、懐中電灯で小さな穴から中をのぞき見る必要があったという。

 FCAの鋳造エンジニアを務めるトム・ソロベッツ氏は、華氏140度まで耐えられる樹脂を使ってケースを印刷することで、可視性の向上と数カ月分の開発工程短縮が可能になったと説明。現在ではコンピュータによるデザインをラボに直接送り、数日のうちに試作版を製作できるという。

 より注目されるのは、新3D印刷を通じて開発コストを33〜42%(ソロベッツ氏)削減できる点だ。

 試作アクスルは全ての部品が機械加工された後、異なる速度やオフロードなど多様な条件をシミュレーションした動力計で試験される。

 FCAは2009年、3D印刷によるアクスルの試作工程を段階的に導入した。耐熱樹脂を活用した新技術はこれまで、6種類のアクスル開発に採用されている。

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