マイクロソフト、海底ケーブルに投資 〜 太平洋と大西洋で光ファイバー網

 マイクロソフト(Microsoft)は現在、世界各地のデータ・センターを接続する海底ケーブルに積極的に投資している。

 同社は現在、太平洋と大西洋の両方の海底ケーブルに投資すると同時に、地上の光ファイバー網にも巨額を投じている。

 データ・センター・ノーレッジ誌によると、マイクロソフトは、それらのケーブルを拡充しデータ・センターの接続性を向上させることで、クラウド電算のコスト抑制をはじめ、信頼性や性能、災害時の備えの強化を図る。

 マイクロソフトがケーブル設置事業で協力している相手は、大西洋ではハイバーニア・ネットワークス(Hibernia Networks)とアクア・コムズ(Aqua Comms)、太平洋ではニュー・クロス・パシフィック・ケーブル・ネットワーク(New Cross Pacific Cable Network=NCPケーブル・ネットワーク)だ。

 大西洋ではアイルランド・ボーリンスピトルとイギリス・ブリーンをカナダ・ハリファックスと接続する。このケーブルは、ペア1組につき毎秒10テラビットの容量を持ち、現在のシステムで達成できる3.5テラビットの3倍近くとなる。それによって複数のデータ・センターを接続し、マイクロソフトのバックボーン(大規模の通信網において、集線装置間や拠点間、事業者間を結ぶ大容量の通信回線網)をサポートする。

 マイクロソフトは、アクア・コムズが進めている米欧接続プロジェクトの最初の基本顧客となる。

 太平洋ではNCPが建設をすでに開始しており、中国の通信大手複数からなるNCPの企業連合にマイクロソフトが参加する。その一環としてマイクロソフトは、米国側の最初の物理接地基地に投資する。

 NCPは、オレゴン州ヒルズボロと中国本土、韓国、台湾、日本を接続する。ケーブルの通信容量は毎秒最大80テラビットだ。

 マイクロソフトは、シーボーン・ネットワークス(Seaborn Networks)が米国とブラジルのあいだに建設中の海底ケーブルの容量を2014年に購入した。同ケーブルは、米国とブラジルをつなぐ初のケーブルだ。

 グーグルも海底ケーブルに投資しており、最近では米国西海岸と日本の2ヵ所をつなぐ5社の共同プロジェクトに参加している。

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