ビット・ステュー、エネルギー・データ事業を拡大〜石油や分散型に進出

 データ統合プラットフォームを開発するビット・ステュー・システムズ(Bit Stew Systems)は、新たに1720万ドルを資金調達した。

 グリーンテック・メディア誌によると、北米の公益市場で顧客を開拓してきた同社は今後、欧州市場や、石油およびガス業界への進出を目指すほか、分散型エネルギー源からのデータも統合できるようにする計画だ。

 ビット・ステューは2005年に設立され、本社はカナダのバンクーバーにある。今回のシリーズB資金調達ではGEベンチャーズが新たに出資し、戦略的な投資家となる可能性がある。

 ビット・ステューの販促担当副社長フランコ・カスタルディーニ氏は、GEエネルギー・マネージメントのソフトウェア関連販促の元責任者でもあり、GEが掲げる「産業インターネット(IIoT=Industrial Internet of Things)」戦略にビット・ステューのソフトウェアが統合される可能性があると説明している。

 モノのインターネット(IoT=Internet of Things)市場においては、「GEとシスコが2大技術企業だ。GEからの投資は当社にとって非常に戦略的だ」と、同氏は話す。

 既存の領域を超える事業開発としてビット・ステューが進めている最初の動きは、石油およびガス業界への進出だ。既存の公益顧客とはガス・パイプラインの検知器データ管理を行っており、石油およびガス業界への進出はその延長線上にある。

 同社はまた、地理的な拡大も目指しており、スペインやフランス、ドイツ、イギリスの公益市場を標的にしている。スペインでは政府の主導するスマート・メーターの導入を受けて、そのデータ管理の需要が高まる見通しだ。またイギリスでは、送電網データを分析して停電予防に役立つことができると考えている。

 ドイツでは、「双方向の送電網を活用して、再生可能エネルギーの影響を理解すること」が中心になるとカスタルディーニ氏は説明した。

 それらの事業は、GEやシーメンス、シュナイダー・エレクトリック、アルストム、東芝といった送電網制御システムを手がける大手の目指す戦略でもある。さらに、オラクルやIBM、C3エネルギー、オートグリッド、スペースタイム・インサイトといった分析技術会社も同市場を有望視している。

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