IIoT、「第4次産業革命」の原動力に 〜 マイクロソフト、注力姿勢を明示
- 2015年6月10日
- ハイテク情報
技術業界で昨今注目されるモノのインターネット(IoT=Internet of Things)を構成する技術の多くは、以前から存在する。にもかかわらず、IoTへの期待が高まっているのは、その普及によって製造業が生まれ変わると考えられているためだ。マイクロソフトでもその点に次なる成長機会を見いだしている。
オートメーション・ワールド誌によると、マイクロソフトはユビキタス環境のさらなる拡充に自社製品を売り込むために、産業界向けのIoT(IIoT=Industrial Internet of Things)事業の強化を狙っている。
マイクロソフトでは、クカ・ロボティクス(Kuka Robotics)や富士通、ティッセンクルップ(ThyssenKrupp)といった企業と提携し、自社のクラウド電算技術「アジュール(Azure)」を基盤にしたIIoT向けアプリケーション群を発表している。
マイクロソフトの世界製造および資源部門責任者カーグレイアン・アーカン氏はそれについて、「新時代の到来であり、産業界の革命だ」と話す。
アーカン氏によると、拡張現実(Augumented Reality)や自然利用者インターフェイス、機械学習が加わることで、新たな先進的インテリジェント・システムが製造業界および産業界にもたらされ、あらゆることが劇的に効率化される。
同氏はその例として、富士通が自社技術を駆使してレタスを室内栽培し、牛の飼育を管理している例を挙げるほか、自動車業界の革新にも大きな可能性があることを指摘する。大量生産の現場では多くの部分でいまだ工員による手作業を必要としているが、近い将来にそれが自動化されるだろう、と同氏は予想する。
IIoTの一環として、大量生産の現場できわめて重要になるのが製造ライン向けロボティクスだ。工員とロボットが接近して安全に協業できる環境の整備が昨今では重視されており、マイクロソフトは、よりインテリジェントなロボットの開発をクカ社と進めている。
その一方で、ドイツが提唱する「インダストリー4.0(第4次産業革命)」という概念も広まりつつある。簡単に言えば、loTを活用して製造工程をリアルタイムで制御および効率化する仕組みだ。アーカン氏によると、それを開発して導入した企業の多くはソフトウェア会社にもなっている。そういった先行組が地ならししたことで各社がインダストリー4.0に注力するようになった。
IIoTは、これまでに自動化が困難だった分野や領域の工程の最適化を産業界にもたらすと期待される。従来のIoTおよび自動化技術では、工程全体や業務の流れ全体の制御や最適化は難しかった。それを可能にすると考えられているのがIIoTであり、「まさに第4次産業革命だ」とアーカン氏は話す。
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