海底タイヤの引き揚げ再開〜フロリダ州、人工漁礁計画の後始末

 フロリダ州はこのほど、1970年代に人工漁礁の構築を目的に海に沈められた大量のタイヤの引き揚げ作業を再開した。

 ロイター通信によると、人工漁礁計画では州の沿岸に計100万〜200万本の廃タイヤが沈められたが、期待に反してサンゴや魚は定着せず、今は環境に害を与えている。環境団体オーシャン・コンサーバンシーの「トラッシュ・フリー・シーズ(ごみのない海)」事業担当者アリソン・シューツ氏によると「海は海流や暴風で常に動いており、タイヤが移動して天然のサンゴを覆い、破壊している」という。

 今回の清掃は、72年に約70万本のタイヤが沈められたフォートローダーデイル近くのオズボーン・リーフを中心に進められる。フロリダ州議会は2007年、予算200万ドルでタイヤ引き揚げ作業を承認し、08年には軍のダイバーによって約6万2000本を引き揚げたが、その後ダイバーが緊急の別の任務に派遣されて作業が滞った。

 引き揚げ作業を監督するブロワード郡の天然資源専門家パット・クイン氏は「米国は2つの戦争に関わったほか、自然災害もあった。10年のハイチ地震では同じ潜水チームがハイチの港の清掃に携わった」という。関係者は、残った160万ドルの予算で向こう2年間に9万本の廃タイヤを引き揚げたいと考えている。

 廃タイヤは再生利用が可能になる以前の製品であるため、引き揚げられた後は州の西海岸までトラック輸送し、タンパ近郊の工場で燃料にされる。タイヤを海に沈めて人工漁礁にする計画は、ニューヨーク、カリフォルニア、ノースカロライナ各州やマレーシア、インドネシア、オーストラリアなどでも実施されたが、タイヤが海底を移動することが判明したためほとんどの計画が中止された。

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