オープンパワー設計センターを欧州に増設 〜 IBM含む3社、生態系の拡充図る

 IBMとエヌビディア(Nvidia)、そしてメラノックス(Mellanox)はオープンパワー(OpenPower)設計センターを欧州に増設した。

 オープンパワーは、業界団体のパワー・ドット・オーグ(Power.org)が推進するパワー・アーキテクチャー(Power Architecture)というオープン・ソース設計基盤。パワー・アーキテクチャーは、IBMをはじめとする数々の技術企業が掲げるRISCマイクロプロセッサー(CPU)向け設計の名称でもある。

 同3社は、そのパワー・アーキテクチャー基盤の高性能電算(HPC=high performance computing)向けアプリケーション開発をさらに強化するために、設計センターを欧州に増やすことで、オープンパワー仕様の生態系拡充を図る。

 同計画はそれとともに、大規模データ(big data)の増加と分析需要の高まりを背景に、HPCによる大規模データの解析や運用をさらに向上させるアプリケーション群の開発や迅速稼働も目指す。

 ビジネス・クラウド・ニュースによると、3社は欧州の設計センターにそれぞれの技術者や専門家を集結させ、各社の独自技術を活かすことでオープンパワー・アーキテクチャー向けアプリケーション群を共同開発する計画だ。

 IBMはそれにともなって、HPC向けパワーCPUを活用し、エヌビディアはテスラ・アクセレレ−テッド・コンピューティング・プラットフォーム(Tesla Accelerated Computing Platform)を、そしてメラノックスは通信網ソリューションのインフィニバンド(InfiniBand)を活かす。

 3社の動きは、HPC向けソフトウェアの開発を促進するだけでなく、ソフトウェア開発者らのHPC関連技術向上ならびに経験を高める好機にもなり、HPCソフトウェア開発業界全体の発展につながるものと期待される。

 増設される設計センターは、フランスのモンペリエに開設される計画で、2014年11月に立ち上げられたユーリッヒ・スーパーコンピューティング・センターを補完する役割を担う。

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