SUS、シリコン・バレーに研究所 〜 節水の技術革新を奨励する開発拠点に
- 2015年8月24日
- 環境ビジネス
公益会社の節電および節水努力を支援する技術を開発するスマート・ユーティリティ・システムズ(Smart Utility Systems=SUS)は、シリコン・バレーに研究所を開設し、技術革新にさらに注力する姿勢を打ち出した。
フォーブス誌によると、同社はカリフォルニア州アーヴァインに本社があるが、「水とエネルギーの革新センター(Water and Energy Innovation Center)」の開設場所としてサンタ・クララを選び、これからはそこを節水と節電の技術研究拠点にする考えだ。
米環境保護庁(EPA)は、米国では毎年1兆ガロンの水が浪費されていると見積もっている。そのほとんどは、締まりの悪い蛇口や散水機(スプリンクラー)の誤作動、壊れた水洗トイレが原因だ。
NASAの2014年データにもとづくと、漏水の量は、カリフォルニア州の干ばつに終止符を打つために必要とされる水の9%に相当する。
SUSの新施設の詳細は明らかにされていないが、公益会社や節水分野の専門家が技術者や起業家と協力することで、画期的なソリューションを開発する場所となることを意図している。
公益会社は、販促力で知られる企業では必ずしもないが、技術革新のための研究拠点によって、節水や節電、さらに公益会社の事業モデルの変化が注目されることをSUSは期待している。
2009年に設立されたSUSは、公益会社や水道局にサース(SaaS=Software as a Service)を提供している。同サービスは、水道使用量と漏水の監視、さらに顧客への働きかけを通じて節水効果を高めるもの。水道のスマート・メーター設置数は着実に増えており、そのメーター・データを分析するのが、SUSのソリューションだ。
同社のサービスにはおもに3種類ある。分析プラットフォームの「スマート・カスタマー・モバイル」、データ管理プラットフォームの「スマートIQ」、現場作業員のモバイル機器をリアルタイムで管理するプラットフォーム「スマート・モバイル・ワークフォース」だ。
同社はまた、「スマートH2O」と呼ばれる新しいアプリケーションも近いうちに投入する予定だ。これは、水道サービスの利用者が自分の水道使用状況を見たり、政府が導入した最新の節水規則を確認したりできるようにするもの。
一般の消費者のあいだでは、省エネルギー意識の高まりにともなって、節水も意識されるようになっている。スマートH2Oは、消費者のそういった関心に応えるもので、ソーシャル・メディアを介した情報共有も奨励する。
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