米エネルギー省、送電網の近代化に投資 〜 80件以上に最大2.2億ドルを拠出

 米エネルギー省のアーネスト・モニツ長官は先日、「送電網近代化複数年プログラム計画(Grid Modernization Multi-Year Program Plan)」を発表すると同時に補助金の拠出を約束した。

 クリーンテクニカ誌によると、米国内の送電網を近代化するための事業計画80件以上に最大2億2000万ドルの補助金が割り当てられる見込み。

 「米国の送電網を近代化することは、二酸化炭素排出量を削減し、社会基盤設備への攻撃に備えるうえで欠かせない」と、同長官は話した。

 エネルギー省は、議会の承認を得たうえで、最大2億2000万ドルの補助金を向こう3年間に拠出する。拠出先はエネルギー省管轄の国立研究所やその提携先。目的は「高性能の蓄電システムやクリーン・エネルギー統合、規格標準化と試験手順の策定、そのほか送電網近代化に関する多数の分野の重要な研究開発を支援すること」だ。

 「国立研究所、業界、学界、州や地方自治体の行政機関が参加する官民提携によって、電力基幹設備を向上させるための継続的な取り組みがさらに強化される」「今後数十年にわたって、国のエネルギー需要に対応できるようになるだろう」とモニツ長官は語った。

 米国の既存の送電網は一部で老朽化しつつあり、近代化は急務になりつつある。また、再生可能エネルギーの拡大によって、送電網にかかる負担も高まっている。火力発電をはじめとする安定的な発電源と太陽光および風力発電のように変動の激しい発電源の両方に対応しなければならないためだ。

 エネルギー省の主導する新しい送電網近代化策では、再生可能エネルギーだけでなく、蓄電やスマート建物といった既存電源に統合する際の課題の解消策を目指す。

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