第142回 車輌保険を利用する

文/安岡忠展(Tadanobu Yasuoka)

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 交通事故に遭い、相手に過失がある場合は相手に支払い義務があります。しかし、相手の保険会社から支払いがされるまでにかなり時間がかかってしまうことがあります。よくある理由としては、相手が過失を認めない場合、複数の車が巻き込まれた場合などです。残念ながら虚偽の証言をする人も多く、そういう場合は過失がはっきりするまでは支払われません。

 複数の車が事故に遭った場合は、全ての車の修理費の総額が出るまで支払われないこともあります。対物保険のリミットで全ての修理代を支払われるかどうかを見極めるためです。最低リミットの5000ドルしか加入していない場合は、複数の車の修理代全額を支払うことが困難な場合が多く、そういう場合には被害額の割合に応じて振り分けられます。よって被害額の全額がもらえない恐れも出てきます。

 車輌保険(collision)に加入しているとこういった心配はありません。車輌保険は過失の有無に関係なく適用出来ますので、相手に当てられた事故の場合でも相手の対応を待つ必要もなく修理出来ます。「自分の保険を使うと次回から保険料金が上がる」と思っている方も多くいますが、実はそうではありません。自分に過失がある事故の場合は保険料にも影響しますが、自分に過失がない事故であれば保険料は上がりません。

 相手に過失がある事故の場合は、自分の保険会社は車輌保険で使った金額を相手の保険会社に請求します。保険会社間で手続きをしますので、自分が相手側に催促したりする必要もありません。車輌保険を使う場合に免責(deductible)を負担させられますが、この額も相手が過失を認めた時点で払い戻されます。

 最初から相手側の保険会社が迅速に支払い手続きをしてきた場合は問題ありません。ただし、自分の保険エージェントにも事故があったことは報告しておいてください。事故関連の書類も全て保管することをお勧めします。事故を起こすと加害者でも被害者でもDMVの記録に残ります。DMVの記録ではどちらに過失があったか書いてありませんので、自分の過失ではなかったことを証明しなければなりません。警察のレポートや保険会社からの手紙などがあれば証明として使えます。何らかの証明を提出しないと、過失事故として追加料金を課せられる恐れもありますのでご注意ください。

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安岡忠展 (Tadanobu Yasuoka)

ライタープロフィール

全ての保険を取り扱う総合保険代理店「ダイワ保険代理店」代表。顧客の保険代理人として「お客様にとってベストなプラン」を提供する。目標は「全ての保険を取り扱うことでお客様のニーズを把握し、生涯のパートナーとしてお付き合いいただくこと」。

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