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日本の食
自然志向最前線
- 2017年2月1日
- 2017年2月号掲載
60年以上の歴史ある加州米にも
オーガニックブランド
Rice
国宝ローズは、代表的なカリフォルニア米の品種。後にライス・キングの別名で呼ばれるようになった、福島県出身の国府田敬三郎がカリフォルニア産初の中粒米の栽培に成功、1960年代に 国宝ローズを市場に送り出した。現在も三代目に当たる国府田ロスさんがコーダファームの経営に携わる。
「我々にとっては家宝とも言える品種であり、顧客の多くが一度国宝ローズを味わうと他の商品に戻ることはないほど愛されていると自信を持っています」と 国府田さん。
コンベンショナルの品種には白米と玄米がある。白米は若干粘り気のある食感と噛んだ後に甘さが感じられる。また、玄米も甘いハチミツのような香りが特徴となっている。
国宝ローズにも、オーガニックのブランドが存在する。「当社がオーガニック米に着手したのは2004年からです。理由は国宝ローズを支持してくださっている顧客に対して、従来式の米とオーガニック米、両方の選択肢を提供すべきだと考えたからです。プレミアムな商品をナチュラルな形に進化させるべきだと実行に移しました。それは顧客にとって魅力的なことであると同時に、我々にとっては困難なことでもあり、その後、(幅広い顧客層を獲得することで)大きな見返りを得ることにもつながりました」
国府田さんが言う「困難」とは雑草の問題だった。そして、雑草の障害を克服した先には新たな障害が出現した。カリフォルニアの干ばつである。
「現在、最も頭が痛い問題は安定した水の供給です。カリフォルニア州はご存知のように干ばつの被害を受けています。十分な水を水田に送り込むことが非常に難しくなっています。もう一つの問題は絶滅危機生物保護法の影響です。この法律が州内での水の効果的な運搬を妨げています。水が十分でないだけでなく、それを活用するフレキシビリティにも今のカリフォルニアには制限が多すぎます。例えば、水の使用量は季節ごとに異なります。水田に必要な水は夏が最多になりますが、許可されている水の量で十分でない場合は、秋の分の水を使うしか対策がないのです」
このように雑草を克服した後に干ばつ、さらに法的規制とさまざまな障害が降りかかる中でも、 国府田さんはブランドを守っていくために、前出のオーガニック品種開発の成功を含め、新た挑戦を続けている。
「我々にとってコアな消費者がアジア系であることに変わりはありませんが、すべての民族的背景を持つ人々にとっても米の価値は高く評価されています。今後もすべての層を対象に新規顧客を獲得し続けるために、トレードショー、メディア、ファーマーズマーケットでの直販を通じて、当社の商品の訴求に取り組んでいきます」
最後に 国府田さんは「伝統的な日本食こそが本来健康的なものであり、自然なものです。日本食への世界的な需要の高まりは当然の結果だと言えるでしょう」と「健康的な日本食の明るい未来」を確信していると語った。
Koda Farm,Inc.
www.kodafarms.com
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