Day 5
旅の最後の目的地、バッドランズ国立公園へ。
一気に行けばよいところ、遠回りしてパインリッジ居留地を抜けることにした。
そう言うと「なんでまた? 何もない所だよ」と怪訝な顔をする地元の人もいたが、正確にはバッドランズの半分は居留地の中にある。何もないならないで、そういう風景も見たかった。
パインリッジに入ると強い雨が降ってきた。そのせいか人気はなかったが、もちろん人が住んでいて家も学校もあり、ウンデッドニーなどの史跡もある。
バッドランズ国立公園は24万4千エーカーと広大で、保護されている草原としてはアメリカで最大規模だ。バッファロー、アンテロープ、クロアシイタチなどの貴重な野生動物が住んでいる。
空が地平線と出会う場所が見える。そんな大平原の上に、何百万年もかけて自然がつくりあげた尖塔や、ピラミッド、テラスが姿を現す。
ごつごつした岩だらけの無骨な土地だったため、ラコタ族が「悪い土地=バッドランズ」と名付けたという。今は、きれいに舗装されたループが園内を通っていて、ドライブして走り抜けるだけで十分に楽しめる。
雨上がりのバッドランズに、むくむくとした怪しい雲が渦巻いた。その端っこからまるい虹が伸びる。岩の間をビッグホーンシープの群れが飛び跳ねて消えていった。
旅先で毎日、からりとした晴天に恵まれればそれに越したことはない。でも、青空よりもドラマチックな景色が沢山あるーー。アメリカ西部の国立公園の旅は、それをいつも教えてくれる。
取材協力/サウスダコタ州政府観光局(Special thanks to South Dakota Department of Tourism)
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