ファームtoテーブルを日本の農家と一緒に
前回に続き、ポートランドから日本に進出した注目の“味”。いずれも人気の秘密は、そのこだわりにあるようだ。まず、「ナヴァー」(navarre)は、2002年にポートランドで開業した時から「ファームtoテーブル(農家から食卓へ)」をポリシーとするレストラン。オーナー・シェフのジョン・タボーダ氏による地元の農家の旬の作物の魅力を最大限に引き出すその料理は、多くの人を虜にしてきた。そんな「ナヴァー」の味を日本で楽しめるのは、東京の原宿にあるライフスタイル提案ブランド「ニコアンド」(niko and …)の店内だ。このショップ自体が「特集と連載を持ち、雑誌のように編集する店」というユニークなコンセプトで、45〜60日ごとに特集テーマを変えていく。ナチュラルなライフスタイルを志向する顧客に手作り感のあふれる店づくり。2014年の開店時の最初のテーマが“45日のポートランド”だった。「ナヴァー」は、ポートランドでも注目のレストランだっただけに、引き合いもいろいろ来たそうだが、シェフのやりたいスタイルと「ニコアンド」のこの世界観がぴったり合ったのだそう。
シェフのジョンは、年4回は来日して、メニュー開発を日本のスタッフと一緒にする。同じ野菜でも日本とアメリカでは味が違うので、仕入れする農家を回り、味をみてメニューを作るのだ。店のある地元に最も合った形で旬の“素材の味”を生かす、それこそ“ポートランド流”のレストランなのである。
ナヴァー
トーキョー店
東京都渋谷区 神宮前6-12-20
niko and… TOKYO 2F
電話:03-3409-3266
http://tokyo.nikoand.jp/navarre/
ポートランド店
10 NE 28th Ave., Portland, OR
電話:503-232-3555
こだわりの大人のドーナツ日本の材料で本国の味を
もう一つ、東京の代官山にあるライフスタイル・複合セレクトショップ「フレッド シーガル」(Fred Segal)に出店した「カムデンズ ブルー スター ドーナツ」(CAMDEN’S BLUE STAR DONUTS)は、ポートランドでも行列のできるドーナツ店。
「フレッド シーガル」は、ポートランドではないが米国西海岸を発祥とするショップ。飲食も含めての展開を探るなか、このボリュームがあって“大人”が味わえるドーナツというのがフィットするということで、出店が決まったそう。
こちらの日本店も材料は日本にあるものだが、出来るだけ自然派のものを使い本国の味を再現。シーズンごとに新しいドーナツを作る時は、シェフが来日して味をチェックし、NGが出たものは出さない。店内のキッチンで生地から手作りするため、1日に出来る個数が限られるという。もちっとしたまるでパンのような新しい食感が新鮮だ。そして地元素材へのこだわりから、日本限定のきな粉をまぶしたドーナツも。
両店ともライフスタイルの大事な要素として“食”へのこだわりを担う店になっている。そして、シェフが来日して、その季節その土地で最もよい素材を吟味して作る“ポートランド魂”の味が、日本でも人を引きつけているのだ。
カムデンズ ブルー スター ドーナツ
代官山店
東京都渋谷区代官山町13-1 ログロード代官山2号棟
THE MART AT Fred Segal内
電話:03-3464-3961
ウェブ:camdensbluestardonuts.jp
ポートランド店
1237 SW Washington St. Portland, OR(ほか3店)
電話:503-265-8410
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