正直に言おう。かっこいいポスターと意味深な予告編で大いに期待したのがいけなかったのか、「Spectre」にはかなり幻滅した。ダニエル・クレイグの4度目のジェームズ・ボンド役だが、クレイグのボンド映画のトレードマークとも言える「地元民の迷惑はおかまいなしのやりたい放題なアクション」で映画がまたもやスタートしたのにまずがっくり。そして、女性キャラはボンドと寝るシーンのためだけに登場するお粗末な設定にうなだれた。年の差ありすぎの今回のヒロインにただでさえ違和感を覚えるのに「あなたにはついて行けないからもう別れるわ」というセリフには耳を疑った。
先述したように、ハリウッドは女性客の存在をやっと認識し、女性にもアピールする映画を作る傾向にある。そんな中、これほど女性キャラを軽視した作品が登場するとは……。ボンド作品が男性向けなのは分かる。オープニングクレジットは、女性たちが裸体をクネクネと動かして男心をくすぐる。本作もその伝統を踏襲している。ただ、これまではボンドガールの背景もそれなりに描き、ベッドインへの過程もどこか納得できるやり取りがあったが、本作はそうした(男にとっては?)面倒なプロセスがすっ飛ばされていたのだ。
ボンドの大ファンな男性には楽しめるが、デート映画としては避けた方が無難かも……。
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