ボンド映画にがっくり

文/はせがわいずみ(Text by Izumi Hasegawa)

Photo by Jonathan Olley © 2015 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc., Danjaq, LLC and Columbia Pictures Industries, Inc.

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© 2015 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc., Danjaq, LLC and Columbia Pictures Industries, Inc.

 正直に言おう。かっこいいポスターと意味深な予告編で大いに期待したのがいけなかったのか、「Spectre」にはかなり幻滅した。ダニエル・クレイグの4度目のジェームズ・ボンド役だが、クレイグのボンド映画のトレードマークとも言える「地元民の迷惑はおかまいなしのやりたい放題なアクション」で映画がまたもやスタートしたのにまずがっくり。そして、女性キャラはボンドと寝るシーンのためだけに登場するお粗末な設定にうなだれた。年の差ありすぎの今回のヒロインにただでさえ違和感を覚えるのに「あなたにはついて行けないからもう別れるわ」というセリフには耳を疑った。
 
 先述したように、ハリウッドは女性客の存在をやっと認識し、女性にもアピールする映画を作る傾向にある。そんな中、これほど女性キャラを軽視した作品が登場するとは……。ボンド作品が男性向けなのは分かる。オープニングクレジットは、女性たちが裸体をクネクネと動かして男心をくすぐる。本作もその伝統を踏襲している。ただ、これまではボンドガールの背景もそれなりに描き、ベッドインへの過程もどこか納得できるやり取りがあったが、本作はそうした(男にとっては?)面倒なプロセスがすっ飛ばされていたのだ。
 
 ボンドの大ファンな男性には楽しめるが、デート映画としては避けた方が無難かも……。

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はせがわいずみ (Izumi Hasegawa)

はせがわいずみ (Izumi Hasegawa)

ライタープロフィール

島根県松江市出身。映画ジャーナリスト・神主。NHKなどのアナウンサーを経て、映画・TV記者に。取材したセレブはのべ5000人以上。スターのインタビューや写真を全世界の媒体に配信する通信社Hollywood News Wire Inc. を経営 (一部をWhatsUpHollywood.comに掲載。動画インタビューはUTBでも放送中!!)。ハリウッドと日本の架け橋としてHollywood-PRを立ち上げ、PR・マーケティング、コンサルタントとしても活動中。
実家が神社(出世稲荷神社)なので神主の資格を持つ。島根県ふるさと親善大使「遣島使」。著書:TV『24』公式解説本『メイキング・オブ 24-TWENTY FOUR-』(竹書房)

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