帰化の要件:“Good Moral Character”
(道徳的な人格)パート2

文/ミチコ・ノーウィッキ(Text by Michiko Grace Nowicki)

 前回のコラムで、帰化プロセスの要件である、道徳的な人格者“Good Moral Character”(略して”GMC”)について説明しました。また申請者の過去の犯罪や逮捕によって「有罪判決」とされた場合は、GMC要件を満たさない場合があると詳説しました。

 ではアメリカ国外での判決についてはどうでしょうか? 移民局は、アメリカの基準によって犯罪とみなされる行為の結果による判決であれば、アメリカ国外の判決であっても「有罪判決」とみなします。さらに、外国の管轄裁判所により課された量刑に関係なく、重罪・軽罪であるかの判断は、量刑に関する米国連邦基準にもとづいて決定されます。

 記録から抹消された前科(Expunged Conviction)であっても、移民プロセスにおいて、もともとの記録を削除することにはなりません。例えば、規制薬物違反や不道徳な行為を含む犯罪の有罪判決が記録から抹消されていたとしても、申請者の「有罪判決」の記録として考慮されます。また、アメリカ国外で抹消されている前科も、移民プロセスの目的上は有罪判決とみなされます。さらに、州の法律により、犯罪者のリハビリテーション(社会復帰)のために抹消、却下、削除された有罪判決や罪の容認なども、移民プロセス上では、もともとの判決を除去することにはなりません。

 次の不道徳行為や犯罪を一つでも犯している場合は、永久的にGMCがないとみなされます。

● 殺人の有罪判決を受けた者
● 1990年11月30日以降に加重重罪(Aggravated felony)の判決を受けた者。加重重罪は以下を含む。
● 未成年の殺人、レイプもしくは性的暴力
● 規制薬物の違法売買
● 銃器やその他破壊的機器の不正取引
● マネーロンダリング犯罪(1万ドル以上)
● 暴力犯罪(1年以上の懲役)
● 窃盗犯罪(1年以上の懲役)
● 賭博犯罪(1年以上の懲役)
● 詐欺や納税義務を怠った罪(1万ドル以上)
● 上記を含む加重重罪の陰謀や試み
 
 申請日から遡った規定された期間内に、不道徳行為を犯している場合、麻薬犯罪、宣誓偽証、アルコール常習者、重婚者などとみなされた場合は、永久的ではありませんが、GMCの要件を満たしていないとされます。

 GMCを欠いていると判断された申請者は、強制送還の手続きを行うよう勧告される場合もあります。ただし、GMCを満たしていないからといって、必ず強制送還されるわけではありません。それぞれのケースにより、またさまざまな要因によって判断されることになります。

*本コラムは顧客からの質問を一般的なケースに書き換えたものであり、読者への情報提供を目的としたものです。特定事例における法的アドバイスが必要な方は、専門家に相談してください。

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ミチコ・ノーウィッキ (Michiko Nowicki)

ミチコ・ノーウィッキ (Michiko Nowicki)

ライタープロフィール

ウィリアム・S・リチャードソン・スクール・オブ・ロウ卒業。米国移民弁護士協会所属、米国弁護士協会所属、ハワイ州弁護士協会所属。日本居住歴19年。バイリンガル。

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