突拍子もないユニークなアートに心を奪われる?!「Moonwalkers」(1月15日から劇場&VOD公開)
文/はせがわいずみ(Text by Izumi Hasegawa)
- 2016年1月27日
- 2016年1&2月合併号掲載
ベトナム帰還兵でCIAエージェントのキッドマンに極秘任務が下される。任務の内容は、イギリスに渡り、スタンリー・キューブリック監督に月面着陸の映像を撮影させるというもの。それは、月面着陸を予定しているアポロ計画が失敗に終わった場合に備え、バックアップ映像として使用するためで、アメリカの威信がかかっていた。渡英したキッドマンが、冴えない音楽マネージャー、ジョニーをキューブリックのエージェントと勘違いしたことから事態は思わぬ方向に……。
ジョニーに扮するのは、「Harry Potter」シリーズのロン・ウィーズリー役でお馴染みのルパート・グリント。同シリーズでデビューした彼は、作品毎に俳優として力をつけ、コメディーが得意な青年俳優として活躍中だ。本作も、グリントの味が存分に出たコメディー演技を披露し、観客を魅了する。
キッドマン役のロン・パールマンに負けない存在感を見せるのは、ジョニーのルームメイト、レオンに扮したロバート・シーハン。アンニュイなキャラなのに場面をすっかりさらっていた。
低予算のおバカ映画と思って観始めた本作だが、劇中登場するアート感たっぷりの美術とユニークなユーモアセンスに心を奪われた。特に、後半に出てくる映画監督の住居と実験映画のセンスには脱帽した。
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